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陣痛が来たと思うんだけど..

 思い返せば、陣痛がくる2日前からなんとなく下腹部に痛みを感じていた。

 里帰りなし、立ち会いも希望しない。とりあえず出産まではあまり人に迷惑かけずにサラっと乗り越えてやるんだと心に決めていた。

 "そろそろくるのでは..."ということが頭をよぎり、その前日には、とりあえず最寄りのスーパーマーケットへ冷蔵庫を程々に満たすくらいの食料を調達しに行った。お留守番となる旦那さんに対して、冷蔵庫ガラ空きの状態で入院生活スタート、としたくなかったため。

 スーパーでのお買い物中は、"今晩のお料理くらいはできるんじゃないか?"と思っていたが、痛みに加え倦怠感と言うべきか、身体が重たくて、お料理は諦めた。はやめに帰宅してくれた旦那さんに、通販で取り寄せていた"丸源ラーメン"のラーメンと餃子を作ってもらい、食べる。シャワーをサッと浴びて寝ようと試みるも段々と痛みが増し..陣痛間隔アプリとのにらめっこが始まる。

 間隔が狭まったり、広くなったりするなかで眠りには集中できない。痛みの間隔が10分を切ることも出てきたため、産院に連絡するも、「間隔が一定になるまではお家で安静にしておいてください」という主旨のことを言われる。

 予定日より10日程はやかったこともあり、"さすがにまだか.."と妙に納得してしまい、寝ようと試みるも痛みが消えることはなく、"いたーい"としきりに声が出ていた。この時午前2時。

 状況は大きく変わらず、耐えられないこともないが、いつもと違う強めの痛みとたたかう不安により、心身ともに疲れていた。

 午前5時になり、痛みの間隔は10分を切ることが多くなった。正確に言うとたまに10分を超えることもあったが..。その様子を正直に産院に伝えると「陣痛は間隔10分を一度でも超えることはないので、アプリと睨めっこしないで寝てください」こう言われる。

 私は少しがっかりした。旦那さんも"こんなに痛そうなのにまだ病院行けないの..?"そんな雰囲気だった。病院に行けたところで痛みによる辛さがなくなることはないし"仕方ないか.."と思うことにした。

 結果を言うと、私の陣痛開始が、まだ寝ておけと言われた5時開始、という算定になったのだが、私からの数回の連絡を受けた助産師には、産院に到着してからも出産後も場面ごとに嫌味のようなことを言うような問題の人だったため、病院側には起きたことや言われた言葉、嫌な気持ちになったことを伝えた。初産の一連の経験において一部このようなネガティブな記憶が刻まれたことは残念である。どこのコミュニティにも、空気が合わない人物は存在するようである。

 話を戻すと、朝の7:30まで我慢をして痛みがさらに強まって尚、産院から「間隔が一度でも広くなるとまばらなのでまだ。早く来ても入院費がかさむだけ」と言うので、様子を見兼ねた旦那さんに連絡し直してもらい、客観的に私の様子を伝えてもらう。例の助産師も男性の威厳に押されたのか、ゴーサインをやっと出した。
 痛みを例えることはできない。なぜなら陣痛だけの特有の痛みだから。言うなれば腰がどうしようもなく痛く、ただ座っているだけでも辛かった。
 夜中もずっと起きて様子を見守ってくれた旦那さんに感謝したい。1人で迷惑をかけず終えたかった出産だが、陣痛の時点で早速助けられてしまった。
 立ち会いは希望してなかったものの、もし可能であれば陣痛室では一緒に過ごしたいとも考えていた時があった。病院の方針によりそれは叶わなかったのだが、結果的には家で陣痛の時間をともに過ごすことができたので、ある意味希望が叶ったのでよかった。赤ちゃんがそうしてくれたのかもしれないなとも思えるので、そちらも感謝。

 ちなみに、入院費の話を出されたが、この4月から出産一時金の額が50万円に上がったことで出産費用全額が賄われ、私の場合は退院時、お支払いの額は一切かからず0円だった。
入院費がかさむどころか、0円とは痛快である。それは都立病院ならではと言えるのかもしれない。はじめて岸田政権に感謝した。

 タクシーで産院に移動。病院まで送ってくれた旦那さんは出勤。手続き等を済ませてくれ面会できるギリギリの場所で(コロナ禍明けでも面会等の決まりはまだまだ厳しかった)別れるのだが、今思い返せば、そこで2人だけの時間は終わった。赤ちゃんを迎えるのだから決してネガティブな意味ではない。しかし、今となってはなんだかノスタルジックな気分になっている。ノスタルジックが見合う表現かは自信がないが、なんとも思い出深いシーンとなった。

 産院に到着してからのことはまた次の記事で書かせていただきたい。

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この記事の最後に。

 もしこれからお産を控えている初産婦さんにお読みいただけたとしたら..

 陣痛に関しては、必ずしも数字的な"間隔"が全てじゃないということをお伝えできたら嬉しいです。ある程度規定の間隔まで狭まったら、自身の痛みの"感覚"を優先すれば良いのかなと思いました。冷静に考えてみたら、赤ちゃんだって機械のように一定の動き、皆が皆同じような動きをするとは限らないはず..そう思います。

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最後までお読みいただきありがとうございました。

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