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脳内で踊りだす変なおじさん

普段あまり鳴らない会社の電話が鳴った。
とるのはもちろん事務員をしている私だ。
ただ、いち事務員の私にかかってくる電話などないに等しい。
それがどういうわけか、その日、電話口の女性は私に用があるという。

「○○様(私)いらっしゃいますか?」

何かのセールスだろうか。

「…はい。私が○○です…」

身に覚えのない女性から用があると言われ、不安に思いながらもそう応える。
その刹那、突如頭の中を「何か」が駆け抜ける。
電話口の女性に耳を傾けながら、脳内でその「何か」を追いかけると


「そうです。私が変なおじさんです。」
現れたのは志村けんの「変なおじさん」だった。
変なおじさんっだか~ら変なおじさん ♪
ダッサイパジャマに腹巻姿でお馴染みのネタを歌い踊る。

気付いてしまったが最後、必死に笑いを堪え女性の話に応対する。
今やどんな話だったかもおぼろげだ。
大した話でなかったと記憶しているが。

そのあとしばらくは脳内で変なおじさん(志村けん)が踊っていた。




自分の発した言葉で、思わず変なおじさんを躍らせてしまったので
その一瞬を文字に起こしてみた。
そのとき感じた面白さをどこまで伝えられているかは自信がないが、
これを読んで変なおじさんが脳内で踊っていたら、フフっと笑えていたらいいなと思う。

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