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深淵


わかりあえない深い溝が横たわり続ける私たちの前にどうしても渡ることのできない深い深い溝に石を蹴る落ちるそれを見る時間私は空に手をあげる何かを掴まえようとするだってわかるかもしれないから何かひとつでいいわかるかもしれないからわかるものが欲しい欲しい欲しい欲しい本を開いてもカバンを覗いても花を見つめてもどこにもないものがあるんでしょう水たまりや木のウロや壁紙などにはわかるのにわたしには見つけられないものがあるんでしょう空気を握って離してもなんにも掴まえられぬままそうしている間に世界の底で石が鳴る



#創作note #詩

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