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コロナリストラで路頭に迷えないパパ必見。「退職強要マニュアル」を把握しておきたい

コロナ後の家計収入がどれだけ変化したかの調査結果をみた。調査対象は 2020年2月時点で会社員(正社員・契約社員・派遣社員)だった20歳から64歳の1,054名。

60.1%が「変わらない」、29.1%が「減った」、「増えた」は6.0%、「答えたくない」は4.8%。
メディア報道では危機的状況にスポットライトがあてられるので、感覚的には減った割合が29.1%というのは「あれ、そんなもの??」というイメージになる。

希望退職募集がこれから激増

日経新聞読むと「希望退職募集」という名のリストラが目に付くようになってきた。味の素、朝日新聞、ワールド、LIXIL、JTなどの大手でも大鉈を振るっている。
2020年度の希望退職募集の社数は2019年度比2.6倍の93社。募集人数は判明した80社で1万8,635人に達した(東京商工リサーチ)。

2021年になってもその流れは変わらず1月から2月の1ヶ月足らずの調査で既に33社5000人以上であり、2021年度は過去最大規模であったリーマンショック後の2009年191社2万2,950人を超えるのも確実視されている。

エースは喜んで逃げる

味の素などは別として、一般的には業績が悪くなって「希望退職募集」をするケースが大半である。そうなると容易に想像できるように希望退職の募集が出た際に真っ先に応募するのは、どこでも通用するエース社員である。会社の業績が悪くボーナスも乏しくなっている状況下で、年収面ではもっと良い条件はいくらでもあるという考えになる。もともとステップアップを考えていたエース社員にとっては割増退職金は願ってもないチャンスであることは間違いない。割増退職金を24~36ヶ月支給する企業もあり、これだけあれば今後を少しゆっくり考えながら焦らずに新しいことに向かうことができる。

一方でうちの会社でもそうだが、こういう時にどこも行き先がない社員は手を挙げずにしがみつく。会社からすれば早期退職制度によりエースが消えてダメ社員が残る事態だけは避けたいはずで、名目上は「募集」としているが実態はダメ社員に退職を促す形になっている。つまり「希望退職募集」という名のリストラである。

リスハラにならないように部門長は予行練習を繰り返す

当たり前だが、結局は希望退職募集の公表後に部門長による全員の面談をするが、その中で応募しないで残って欲しい社員の慰留と、退職してほしい社員の退職勧奨が行われる。

この勧奨の仕方は今の時代はとても慎重になっているようで、部門長が一歩間違った発言をした日にはリストラハラスメント(通称リスハラ)とされ訴訟問題になりかねない。
従って大手企業になればなるほどこれに慎重で、勧奨する部門長は希望退職者マニュアルを基にしっかりと準備、練習しているという。

ネットで調べたところ大手電機メーカーのものと思われる「退職強要マニュアル」がサーバー上に公開されておりこれがなかなかリアルで興味深い。ソースをみればELICNECというリストラに対抗する組織が公開しているようで、本物の可能性がかなり高い。 

大手電機メーカーの「退職強要マニュアル」がネットで公開されていてビックリした件

退職強要マニュアルがリアルで興味深い
マニュアルは30ページ。表紙のタイトルは「部長(面談者)の心得」。右上に「極秘/コピー厳禁」とある。それによるとまずは対象者全員を面談前に三分類する。

① 残留者(マーキングA):厳しさを認識させ、今後の活躍を期待する

② 本人選択(マーキングB):厳しさを認識させ、本人の選択にゆだねる

③ 退職候補者(マーキングC):社外での活躍を促す

会社側からすればマーキングCが最大の対象であり、本マニュアルは彼らに対する説明の仕方や想定問答に多くのページを割いている。

全マーキングに対して希望退職募集に至る経緯と会社の状況について説明を行うが、マーキングC対象者には続きがある。

貴方については、貴方の当社での将来性や社内の他部門への配置転換の可能性などを含め、慎重に検討しましたが、社内では貴方の経験と能力を十分に活用できる職務がなくなっているのが現状です。(中略)従って今回の制度の内容は、退職金・特別加算金・再就職支援など、今の経営状況でできうる最高の配慮をしました。この機会に貴方の将来について、ぜひとも真剣に考えて頂きたいとおもいます。

太字部分はマーキングA、Bに対してはない勧告である。あくまでマーキングCへの厳しい勧奨は主語が「貴方」なのである。

想定問答集も容赦なさすぎ

マーキングC「なぜ私にこのようなことを言うのですか?」
部門長「(略)最大の理由は貴方の当社での将来が描けない状況にあるということです」

マーキングC「自由意志の募集だから、あくまで自分で決めればいいのですね」
部門長「貴方の将来のことを考えての説明の場であり、その辺りの事情をよく汲み取って頂いてご判断ください」

マーキングC「私を辞めさせたいのですか」
部門長「(略)貴方の将来を考えた場合、(それが)貴方を生かす道になると思います」

マーキングC「会社は私のできる仕事を見つけてくれるべきです」
部門長「残念ながら現実的に貴方に適した職務はありません」

マーキングC「労働基準局に不当解雇として訴えますよ」
部門長「貴方のご自由ですが、貴方ご自身のこととお受け止めください」

マーキングC「いつまでに決めたらいいのか」
部門長「応募が定員に達し次第締め切られますので、募集期間中のなるべく早い時期が良いと思います。」

全ページ読んだが、このマニュアルや想定問答を面談者である部門長が覚えるのは相当大変である。言葉の語尾をこうしろとか、面談の雰囲気とか、「申し訳ないが」などの謝罪する言葉はNG等など事細かに決められている

転職エージェントを使えば自分の市場価値を簡単に把握できる

ところで事情はあるだろうが、ここまで言われても辞められない、ぶらさがらなければならないというのも会社員として悲しい。
トヨタ社長が言うくらいだから終身雇用なんて時代ではないので、

「この会社から出たら自分はどれくらいの年収がもらえるのか」
「自分にはどんな価値があるのか」

と定期的に転職エージェントと面談して自分のキャリアに向き合う時間を作った方が良い。

かくいう僕も2年前にこの方法で自分の価値を図った。転職市場に売りに出してみなければ自分の客観的な評価は見えない。
結果的に転職はしなかったが、自分の職務経歴がどこまで通用するか価値がわかったし、そもそも職務経歴書を作成するだけでも社会人生活の棚卸しができて本当に良かった。
もっとこんなこと書けるようになりたいと新たに決意して始めたのが、避けてきた英語である。

悲しいけど、会社はいざという時に守ってくれない。退職カードは自分できれるように普段から準備しておきたいものである。

育児から教わったこと

転職エージェントで自分の市場価値をみておくことで万が一でも家族は守れる

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