aかanか ~英語のルールは難しい?
今回は、日本語話者が忘れがちな「冠詞」の中でも、a にするか an にするかのお話です。
冠詞って何?
日本人には実感がわかないけれど、英語話者にとっては大事なもの
日本語にはないものなので、英文を作るときに忘れられがちなものですが
英語話者にとっては大事なものです。
基本的に、名詞の前には必ず要る!と思ってください。つかない時の方が少ないです。
冠詞の種類は三つ
This is a pen. (これはペンです。) の a です。
I am an office worker. (私は会社員です。) の an です。
a と an は 不定冠詞といいます。このほかに、定冠詞の the というのもあります。
今日は、冠詞の種類のお話ではありません。冠詞のお話はまた別途。
a か an の使い分けルール
使い分けのルール
それでは、不定冠詞の a と an 。どう使い分けるか、学校で習ったルール、覚えていらっしゃいますか?
次に来る単語の最初が a e i o u だったら an になる
と覚えている方も多いとおもいます。
だいたい正解!なのですが、実際は、
次に来る単語の最初が 母音 だったら an になる
です。
大事なのは、文字ではなく「音」
使い分けは、実は「発音のしやすさ」が元になっていたのです!
〇 an orange も、日本語話者なら ✖ a orange でも発音できてしまうので、
ルールを考えながら「イカンイカン。ここは an だった!」と頭で考えてしまうのです。
日本語と英語の決定的な違い
決定的な違いは、息の出し方
これは、のどの奥で空気を切るかどうかの違いです。
【英語】は文章を言い切るまで、息は出し続けています。
【日本語】は必要な時に喉の奥で一瞬空気を遮断します。
分かりやすい例
わかりやすい例は次の文章です。
「本を読む」
【英語】話者だと、どうしても
ホンノヨム となりがちです。
【日本語】話者は、「本(hon)」と「を(o)」の間で、一瞬空気の切れ目を作ることができます。
ですから、「本を(hon-o)」と発音できます。
ですが【英語】話者は空気を切らずに出しっぱなしですから、「本を(honno)」という発音になってしまうのです。
英語話者の空気の出し方を真似してみる
「本を読む」が「ホンノヨム」になるように繰り返し読むと、普段無意識で喉の奥で息を切っていることがわかってきます。
そうしたら、逆に息を切らないように言ってみましょう!
そこで、✖ a orange を言ってみて下さい。
【日本語風発音】
喉の奥で空気をきれば、「ア・オレンジ」と言えますが
【英語風発音】
喉の奥で空気を切らないと、「アオレンジ」
早く言えば言うほど、冠詞 a と単語 orange の境目がなくなり、
二重母音「アオ」で始まる別の単語のようになってしまいます。
リンゴだともっとわかりやすい。
【日本語風発音】
喉の奥で空気をきれば、「ア・アップル」と言えますが
【英語風発音】
喉の奥で空気を切らないと、「アアップル」
早く言おうとすると、冠詞 a と単語 apple がくっついて
長母音「アー」で始まる別の単語のようになってしまいます。
文字じゃないよ、音だよ、の例
ではここで、次に来る単語の文字ではなく、音がカギだよ、という例をあげてみたいと思います。
単語の最初の文字は a e i o u だけど、冠詞は a になるもの
〇 a university
university (ユニバーシティ:大学)の単語は、文字では u ですが、発音は母音(ア、エ、イ、オ、ウ)ではなく「ユ」で始まっています。
ですから、英語話者でも 「ア ユニバーシティ」と発音できるので、a のままでいいのです。
単語の最初の文字は a e i o u じゃないけど、冠詞は an になるもの
〇 an hour
hour (アワー:時間)の単語は、文字では h ですが、発音は母音(ア、エ、イ、オ、ウ)で始まっているので、an になります。
ちなみに year の方は、「イ」で始まるように日本語話者は感じてしまいますが、実際には 子音で始まっていますので 〇 a year のままです。
ルールの成り立ちは
言語におけるルールは「まずルールありき」なのではなく、「まず言葉が使われていて」「それをルール化するとどうなるか」とルールは後付けになっています。
今回は「言い易いかどうか」が鍵になっています。
私に関わる全ての人に元気と勇気を!
そしてその人の変化を有形無形で応援していきます!!!
言語のルールは、後から学び易くするために編み出されたもの。ということがわかると、また違った感覚で使えるようになりますよ~というお話でした!
ちか (2024.4.13)
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?