「逃げるから冒険できる」小幡和輝の正しい不登校のススメ

もしドラゴンクエストに“逃げる”という選択肢が無かったら、あんなに遠くまで行けただろうか?心理学でも、冒険を好む子どもほど、いつでも帰れる場所、家庭が安定しているという傾向があるという。※1

もし逃げられないとどうなるか?最近ネットで「死ぬくらいなら会社辞めれば」ができない理由、というマンガが話題になった。追い詰められて視野が極端に狭くなり、自殺すれば会社に行かなくて良いと思ってしまう。

子どもも同じだ。夏休み明けの9月1日は子供の自殺が一番多い。年間100人を超える子どもの自殺を、どうしたら止められるだろうか?

死ぬくらいなら学校行かなくていいじゃん」と訴えるのは、元不登校の大学生社長、小幡和輝さんだ。約10年間、不登校で引きこもりゲームをしていたが、現在は「和歌山を輝かせる!」をテーマに地域創生で活躍している。

「不登校から高校生社長へ。自分の実体験を本にして、日本中の学校に配りたい!」と、クラウドファンディングで書籍出版のプロジェクトを進めている小幡さんにインタビューしてみた。

Q. 子どもの不登校に悩む親にすれば、「逃げろ」と言われても困るのではないですか?

A. 「逃げろ」ではなく、「逃げるという選択肢がある」ことを伝えたいんです。その方が子も親も心に余裕ができませんか?私は幸い、小学校3年生の時に不登校という選択をさせてもらえました。

中学までほぼ学校には行っていませんが、その後定時制高校に入学し、現在は和歌山大学に通い起業しました。今人生が本当に楽しいのですが、小学校の時に学校に行くことを強制されていたら、自殺していたかもしれません。

子どもは逃げる場所がないんです。所属するコミュニティが学校と家しかない。学校でいじめられて、親がいじめに気づかずに「学校に行け」と言えば、追い詰められてしまうんです。

Q. 不登校はどれくらいいますか?

約12万人と言われています。不登校の定義は年間30日以上の欠席です。ただ潜在的にはもっといると思います。学校に行きたくないのに親や先生に言われて通っている子ども達です。私の本はそういった方に届けたいんです。

Q. 学校に行かずに勉強はどうするのですか?

インターネットで家でも勉強ができる時代、私は没頭体験の方が大事だと思っています。私はずっとゲームをしていたんですが、3万時間くらいやっていると、普通にプレイしていたら飽きるんですよ(笑)。

ゲームのやり方をどんどん変えていきます。ゲームを通して「飽きない工夫」が身につきました。なんでも没頭できるというのは仕事で役立っていますね。

Q. マンガも好きですか?小幡さんって良い意味でマンガっぽいと思うんです。私はマンガの原作を書きますが、マンガの主人公って、いかにみんなの応援をとりつけるかが勝負です。そのために目標をはっきりと明言し、不利な状況からスタートして、コンプレックスも持っている方が良い。

いじめや不登校って隠そうと思う人も多いと思うんですが、小幡さんは逆にそれを活かしている。和輝という名前も、「和歌山を輝かせる!」という活動テーマと紐付いている。応援される要素をすごく持っていますよね。

A. ワンピースは好きですね。ミホークって知っています?最強クラスのキャラなんですが、主人公のルフィーを評して「能力や技じゃなく、その場にいる者達を次々に自分の味方につける。この海において、あの男は最も恐るべき力を持っている」と言うんですよ。影響されているかもしれないですね。

Q. 和歌山をどう応援していきますか?私は滋賀出身なんですが、正直「滋賀・奈良・和歌山」って関西だと存在感が薄いですよね。

A. 和歌山は「近畿のおまけ」って言われますね(笑)。高校生の86%が県外の大学へ行く、つまり県外流出が日本一なんですよ。でもその人達を「和歌山の観光大使」と思えば、自分の県を全国にアピールするのに一番有利ですよね。

Q. めっちゃポジティブですね!

A. 和歌山は日本の原点ですよ。醤油、かつおぶし、わさびといった和食の原点は和歌山発祥です。高野山も神社のなかに寺を建てた、神仏習合のルーツです。日本人の食と価値、宗教観は和歌山から来ているんですよ。

Q. 和歌山が日本の原点なら、滋賀は日本の中心ですよね。位置的にも真ん中にあるし。あの信長も居城に選んだのは滋賀でした。現代でも滋賀を首都にしようと思ってPRしているんですが誰も話を聞いてくれないんですよ。

A. 頑張ってください。

Q. クラウドファンディングで作る本の中身はどういったものですか?

A. 私自身の不登校経験を通して、その先にどんな選択肢があるかを書いています。今学校で居場所が無くて苦しくても、明るい未来を目指して正しい不登校をする選択肢があることを知ってほしいです。

※基本笑顔だがたまに鋭い表情を見せる小幡さん

以上、小幡さんのインタビューでした。

子どもの自殺は本当に痛ましいものです。それをどうにかしたいと思う方はぜひクラウドファンディングにてご支援お願いします。

不登校から高校生社長へ。自分の実体験を本にして、日本中の学校に配りたい! - CAMPFIRE(キャンプファイヤー)

この記事は、私のVALUの優待特典として、小幡さんからの依頼でインタビューをしています。興味がある事しか引き受けないと優待に明記していますが、期待通り小幡さんの話はとても興味深いものでした。ありがとうございました。

※1 発達心理学における、ジョン・ボルヴィによるセキュアベースの理論

読んでくれてありがとう!