見出し画像

伸び悩む中国ショート動画「快手」、時価総額8割激減

中国ショート動画2位「快手」(kuaishou)が4~6月期決算を公開。

売上高:191億元。前年同期比49%増。
調整後の純損失:48億元。前年同期より赤字額146%増。
DAU(1日あたりのアクティブユーザー数):2.932億人。Q1より210万減少。
•MAU(1ヶ月あたりのアクティブユーザー数):5.062億人。Q1より1,400万減少。

图片 1副本

中国国内の利用者数は、Douyin(抖音/Tik Tok中国版)にどんどん差をつけられ、海外市場での事業展開も順調とは言えず、北米市場向けに打ち出した動画アプリZynnは、8月閉鎖する結果に。

快手は、4億人のDAUを目標に揚げていたが、Q2のDAUはQ1より下落。これに対し、Q1は春節のキャンペーンによってユーザーが急成長した、と説明しているが、ユーザーの成長鈍化は明らかである。

图片 2副本

各事業別に売上を見てみると、広告事業が収益の柱であり、売上は100億元で全体の52%を占める。
次に、期待されていたEC事業(ライブコマースなど)による売上が伸びていることがわかる。わずか10.3%であるが、EC・ゲームおよび付加価値サービスによる売上は19.8億元で、前年比213%増加。売上貢献度が上がってきている。

しかし、増収する一方、赤字も拡大している。上半期ではすでに97億元の赤字を出しており、2020年1年間の赤字額を大幅に超過。
特に海外市場開拓への投資によるマーケティングコストが急騰しており、Q2の販売費とマーケティングコストは113億元で、前年より101%増加。
黒字化への道のりは険しいだろう

画像4

快手の株価推移

もともと快手は、中国短編動画の先駆者であり、さらに中国短編動画業界初の上場会社として、上場当時たくさん注目を浴びていた。
しかし、時価総額は1.74兆香港ドルに達したが、その株価はバブルだと指摘され、上場後の株価は右肩に下がる一方で、現在の時価総額は上場当時より8割激減している。


チャイトピ!編集部より
快手のみならず、中国インターネット業界のユーザー成長は、頭打ちになりつつある。
未だ黒字化への道が険しいショート動画業界にとって、ユーザー数の成長は投資家を説得する最も重要な指標である。快手はその期待に応えることができず、株価も下落する道を辿っている。

さらに、中国政府の規制強化を受け、今後はネット企業の生存環境がさらにシビアになるだろう。引き続き、ショート動画業界の動向に注目していきたい。

画像3


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?