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【政策】中国、アウトドアスポーツ市場規模60兆円目指す

今月初めに、中国スポーツを管轄する国家体育総局を含む8部門より「2022~2025年におけるアウトドアスポーツ産業発展計画」が公開された。

主要目標として2025年までにアウトドアスポーツ業界の市場規模3兆元(約60兆円)超えを目指している。

中国のアウトドアスポーツ業界は急成長を見せており、同計画書によると、2021年年末の時点で4億人以上の人々がアウトドアスポーツに身を投じている。その種類も増え始め、スキーやパラグライダー、カヌーといったスポーツが現地で浸透し始めている。

それらのアウトドアスポーツの発展を後押しする内容に加え、近年脚光を浴びているキャンプに関する内容も盛り込まれていた。

チャイトピは、これらの中から重要項目をピックアップして一部翻訳しました。

中国語の原文はこちら:https://www.sport.gov.cn/n315/n20001395/c24894661/content.html


アウトドアスポーツの発展を支援するプラットフォームを構築する。アウトドアスポーツのデジタル化、スマート化レベルを引き上げ、「中国氷雪」や「中国田径」などの情報サービスプラットフォームを活用し、アウトドアスポーツ施設・ルート・イベントを含む関連情報を寄せ集める。

また、様々なメイカースペース(起業を支援する施設)を通して関連企業に低コストかつオープンな起業環境を提供する。

2025年までに、各種アウトドアスポーツのスポットを1万カ所設立する。また、アウトドアスポーツ施設の建設を推し進める。施設の運営管理を強化し、IoTやビッグデータなどを利用することで運営レベルの向上を目指す。

アウトドアスポーツ競技大会やイベントの開催に注力する。2025年までに100もの全国的な競技大会とイベントを打ち出す。

アウトドアのレジャー関連サービスを充実させる。クライミングジム、屋内のスキューバダイビング・スキー施設などがアウトドアスポーツのトレーニングや体験サービスを提供することを支持する。

また、アウトドアスポーツにおけるAR(拡張現実)やVR(仮想現実)技術の応用に注力し、没入感のあるアウトドアスポーツの体験空間を作り上げる。

郊外の自然公園でキャンプ関連サービスを提供し、郊外や農村地域にキャンプ場を増設することを奨励する。

また、キャンプ場が集中している地域にサービスセンター、駐車場、ガソリンスタンド・充電スタンド、トイレなどを設置することを支持する。

アウトドアスポーツに関する消費政策の完備を図る。各地域がアウトドアスポーツをスポーツ関連の消費クーポンの使用範囲に加えることを奨励する。また、各地で旅行業界などと提携した消費シーズンやイベントを展開することを支持する。

アウトドアスポーツへのテクノロジーの応用に注力し、擬似飛行体験などのオンラインサービスを打ち出すことで、オンラインとオフラインがともに発展できる新たな消費パターンを作り上げる。また、農村旅行や農業体験とアウトドアスポーツの融合を推進し、自然環境の価値を引き出す。

アウトドアスポーツ関連の人材育成に力を入れる。2025年までにマネジメント関連の人材を10万人、アウトドアスポーツ関連の専門的な技術を習得し、サービスを提供できるエキスパートを100万人育成する。

新聞やテレビ、weiboなどを通してアウトドアスポーツの宣伝に力を入れる。アウトドアスポーツ理念や健康的でエコなライフスタイルを広め、アウトドアスポーツ業界の発展に有利な社会環境の形成を目指す。

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アウトドアスポーツ企業への支援から業界の発展につながる社会環境の形成について書かれた計画となり、アウトドアスポーツ業界に対する当局の支持が明確に示された。

日本よりも遅れてやってきた中国のアウトドアスポーツブーム、同業界への政府の支援がどのような効果をもたらすのか引き続き注目していきたい。

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