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アリババ Tmallが新ブランドの育成に注力 5年間で100億元を投下

アリババの通販サイトTmall(天猫)が先日、新しいブランドの育成戦略を発表した。ポテンシャルの高い市場を狙い、この先5年間で100億元を投じて2,000に及ぶ新ブランドを育成する計画だ。
また、アリババはD2C(Direct to Consumer)モデルを提唱し、出店企業が消費者とダイレクトに取引ができるよう、促進を行う。

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天猫の新ブランド育成計画

近年、中国では、国産品への信頼が高まる「国潮」ブームにより、たくさんの新興ブランドが出現。これらの新興ブランドの成長は著しく、業界の注目や投資も急増している。
この勢いから、Tmallは去年新しいブランドの支援計画を表明。今年の大型EC祭典である618セールでは、459の新興ブランドがTmallの小カテゴリーにおいて売上1位を獲得した。

これらのブランドは、新興ブランドによる競争が激しい中で、独自のマーケティング戦略や、ニッチな市場を狙うことで消費者の獲得に成功。特にインスタントコーヒーの「三顿半」や、無糖飲料ブランドの「元気森林」などは、大手ブランドにも負けない勢いで成長を遂げている。

この現状を踏まえTmallは、今年9月に、ポテンシャルの高いメンズ美容、香水、ペット関連、アートトイの4つのカテゴリーを一級項目に昇格。今後はリソースの投入をさらに増やしていく姿勢だ。

チャイトピ!編集部より

アリババの最新決算からも、コア事業であるEC事業の成長が鈍化していることがわかるように、中国のEC市場規模、および利用者数は飽和状態である。そこで、各社とも既存ユーザー運営に注力せざるを得なくなっている。

特にTmallは、かつて中国最大の通販サイトとして君臨していたが、近年は京東や拼多多の他、douyinなどの新興勢力により、継続的に成長を遂げるのが難しくなってきている。今回のD2C戦略や、新興ブランドの育成計画は、Tmallが新しい成長エンジンを探る動きだと言えるだろう。

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