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中国EC大手京東(JD)が航空会社を設立、貨物航空業界は競争激化

中国ECシェア2位の京東(JD.com)が貨物航空事業へ参入予定。民間用の航空事業を管理する民航局は今月、同社の貨物専門航空会社の申請を通過させた。
すでに市場参入している物流大手のSF Express(順豊)、アリババ系の物流会社YTO EXPRESS(圓通)に次ぎ、民間貨物航空会社として3社目の参入となる。

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貨物航空事業へ進出した中国物流3社

近年、中国ECの成長と新型コロナの影響に伴い、航空運送の需要が増加。今年2月における中国の航空会社の貨物運送量は、45.9%万トンで前年より55%増加している。


京東はこれを見越してか、2018年にはすでに航空運送を試用展開し、航空会社と協業。航空物流サービスを開始した。2019年には、江蘇省南通市の空港と戦略パートナーシップを締結し、同空港を京東貨物航空の基地にしている。
そして、2021年1月「京東航空」の商標登録申請を提出し、10人のパイロットを募集した。

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2018年中国貨物航空市場シェア(出典:前瞻研究院)

グラフを見ると、2018年時点では、中国貨物航空業界は従来の大手航空会社4社が8割以上の市場シェアを占めており、絶対的な優位性を確立していたことがわかる。

しかし、SF Expressに関しては、2009年にはすでに貨物航空業界へ進出。大手航空会社が乗用機に貨物を積み込んで運送する形式とは異なり、貨物専用機を使用。
58機の貨物専用機を保有し、2019年の貨物専用航空機保有数では、業界トップの座を獲得している。


このように、以前からSF Expressが先駆けて大手航空会社に混じり、航空運送に参入してきたが、新型コロナウイルスの感染拡大以降、大手航空会社も乗用機を貨物機に改造し、貨物運送に注力し始めている。
これにより、今後は航空会社と物流会社の競争がさらに激しくなると言える。

ただ、京東に関しては、EC会社として、商品の供給から宅配まで、一体化の優位性を発揮し、貨物航空業界での差別化が期待できるだろう。

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