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コミュニティ型共同購入ECの熱が低下、アリババ系「十荟团」が事業調整

アリババが出資するコミュニティ型共同購入EC大手である「十荟团(Nice tuan)」が一部都市でのサービスを停止し、事業規模を縮小することを現地メディアが報道。
青島や長春、ハルビンなど都市のサプライヤーには、すでに通知済みで、同社の社員と思われる人が不当にリストラされたとネットで訴えている。

十荟团は2018年に創業。コミュニティ型共同購入EC市場への参入は比較的早く、今までアリババなど、有名企業から7回の資金調達に成功していた。
同社は一時期「興盛優選」、「同程生活」と共に業界3強と呼ばれていたが、「同程生活」が先月、経営破綻。
「十荟团」の事業縮小には、このような同業界への懸念が強まっていた背景がある。

そもそも、コミュニティ型共同購入ECは、住宅街の住民が共同購入することにより、価格を抑えられるのが特徴で、地方市場を中心にユーザーを増加してきた。
さらに2020年からは、新型コロナウイルスを追い風に市場が急拡大。美団や拼多多(pinduoduo)など、ネット大手が相次いで市場参入し、競争が一層激化していた。

この低価格競争が市場を悪質な競争に陥らせていたため、中国政府が規制強化に乗り出したことで、業界の熱が低下。収益化を最優先に考えざるを得なくなった。

この状況から、8月21日に「十荟团」の創業者である陈郢氏は、社内向けの通知で、効率の低い地域の事業を改革し、アリババのMMC事業と連携する計画を発表。

アリババは、十荟团を支援する傍ら、オフラインの小規模店舗のデジタル化支援するMMC事業も実施しており、今後はテンセント支援の「興盛優選」、アリババのMMC、美団(meituan)傘下の「美団優選」が新たな3強となるかもしれない。

チャイトピ!編集部より

コミュニティ型共同購入ECがブームとなってから、1年で業界の熱が低下。発展の初期段階では、地方におけるコンビニ店長の社交性を活かし、コンビニ自体も受け取り拠点として活用していた。地方市場のEC化率を向上するというイノベーションに、確かに価値はあったが、その後ネット大手の市場参入により、低価格作戦がエスカレート。
スタートアップらは資金難、さらに倒産に追い込まれる事態にも発展していた。

生き残った大手にとっても、さらなるユーザーの獲得と維持に費やした巨額な赤字を埋めることが今後大きな課題となるだろう。

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