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中国BYDがガソリン車生産停止、完全EV化では世界初

今月3日、中国乗用車大手の比亜迪(BYD)はガソリン車の生産を全面廃止すると発表した。今後は電動自動車(EV)などに専念するとのことだ。

BYDは世界で最初にガソリン車の生産打ち切ってEVに専念したメーカーとなり、今回の舵取りは中国で大いに話題となった。

2010年にBYDは中国初のEVを打ち出した。技術の向上と市場の成長に伴い車種は増え始め、販売台数でもガソリン車との差も徐々に詰まっていた。

2021年4月に初めてEVの販売台数はガソリン車を追い越し、その後も破竹の勢いで増加していた。今年3月にEVの販売台数は前年比333%増と急成長し、中国市場ではセールストップに躍り出ていた。一方で、ガソリン車事業は尻すぼみとなり、生産停止を決断した。

EV事業の予想以上の好調とガソリン車事業の衰退が、BYDを事業転換に踏み切らせた。また、同社は高性能なブレードバッテリー(The Blade Battery)を打ち出すなど同分野における技術開発にも打ち込んでいた。

背景には中国政府がカーボンニュートラルの実現を掲げていることと、EV市場がめぼしい成長を遂げていることも関係している。

中国自動車流通協会のデータによると、2021年中国市場におけるEVの販売台数は331万台と世界シェアの53%を占め、最大の市場となった。

また、燃料価格の高騰がガソリン車業界にマイナス影響を与えていることも一因である。

一方でEV業界では充電難などの課題も存在する。

年々伸びているEVの販売台数に充電スタンドが追い付いていないため、中国では旧正月などの連休で充電待ちの行列ができる場面は珍しくない。

また、関連事故も度々報道されており、安全性に対する消費者の関心は高まっていた。

こうした難題が残されているが、今後技術が進歩するとともにEVの普及が進み、より多くのメーカーがEV市場に押し寄せることは必然であり、その先に苛烈な市場競争が待ち受けていることは想像に難くない。

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