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Douyinが他社サービスへのアクセスを開放、第二の「wechat」となるか

人気ショート動画アプリDouyin(抖音/中国版Tik Tok)が先日、他社サービスへアクセスできる入り口を設置。Douyinからお店の予約や映画チケットの購入が可能となった。

具体的なアクセス手順は、ウォレット(钱包)→クーポン(大额优惠券)→セレクトサービス(精选服务)の順でサービス画面へ移行。
クーポンを売りにユーザーを誘導し、現在は観光チケットや、映画のチケット、ホテル、レンタカーの予約を含め、14種類の生活関連サービスを提供している。
(サービスの提供会社はCtrip、猫眼、大麦など)

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Douyinの他社サービスへの入り口(チャイトピより撮影)

表示ページを見ると、wechatのウォレットを開いた際に表示される、九宫格(正方形のアイコンが9個並んでいる状態)に設置された他社サービスへの入り口が想起される。
12億人のユーザーを保有する国民的アプリのwechatは、テンセント陣営の京東、美団、拼多多、同程旅行など、複数の会社サービスへアクセスが可能。wechatを通して協業会社がユーザー獲得に至ると、テンセントに収益が入る仕組みとなっている。

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wechat上に表示されるサービス一覧(チャイトピより撮影)

近年、douyin は6億人のDAUを持つアプリとして、世界中から注目を浴びている。
また、運営会社のバイトダンスは、先日フードデリバリー業界へ進出し、「心動外売」を打ち出した。

しかし、美団のようにリアル店舗の出店を促進し、配達員を確保するには莫大な期投資が必要である。市場シェアを美団とelemeの2社が独占している現在、バイトダンスのフードデリバリー業界への市場進出は、けして容易ではないだろう。

この状況を踏まえると、自社でフードデリバリーサービスを展開するより、douyinから他社サービスへのアクセスを誘導し、手数料を取ることは悪くない選択肢かもしれない。


チャイトピ!編集部より
中国のネット業界は、政府の規制強化により、今後プラットフォームをさらに成長させ、独占的な地位を獲得することは難しいと考えられる。このことから、宿敵であるアリババとテンセントの2社もお互いに経済圏をオープンにすることを検討している、と噂される程である。

これらの背景を考えると、バイトダンスがユーザーを他社サービスへ流入させるのも時代のトレンドに合わせた選択と言えるだろう。

もちろん、一定のメリットがある一方、ユーザーを他社に誘導することで、DAUの減少など、リスクヘッジも行うべきであるが・・・。

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