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キジも鳴かずば

秋の長雨の時期になると決まって大水になる犀川のほとりに弥平とお千代という貧しい父子が暮らしている。
お千代が病気になり小豆まんまが食べたいというので、弥平は仕方なく地主様の蔵から一握りの小豆とひとすくいの米を盗み、お千代に食べさせる。
元気になったお千代は小豆まんま食べたと歌いながら手まりをついていると、弥平は盗みがばれて大水をしずめる人柱にされてしまう。
その日以来口をきかなくなったお千代が猟師に打たれたキジを抱いて「お前も鳴かずば打たれないものを…」と言って林の奥へ消えていく。

長野県の昔ばなし

物語の類型
「やりきれない話」

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