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History of Podcast

このnoteに興味を持ってくださったみなさんは、podcastという単語だけでも聞いたことがあるかと思います。
アメリカでは3人に1人、9000万人以上がポッドキャストを聴いていると言います。一方日本国内ではまだまだリスナーは少ない印象です。
今回はPodcastの歴史を振り返ります。このnoteから少しでもポッドキャストに興味を持っていただけたら嬉しいです。

このnoteはPodcastに関する投稿の第一弾です。Podcastに関するnoteを更新していく予定です。
*$${ 以降の記事では便宜上Podcastに用語を統一してご紹介します }$$

誕生

Podcastは"iPod"と"broadcast"からなる造語として誕生しました。このことから想像がつくように、Podcastの歴史はiPodから始まります。
2001年、iPodが発売されます。私と同年代(20歳)の方は知らない方もいるのではないでしょうか?

iPod
アメリカのアップル社が開発・発売した携帯デジタル音楽プレーヤー。1~160ギガバイトの容量をもつハードディスクあるいはフラッシュメモリーを内蔵しており、約240~4万曲の記憶が可能。iTunes(アイチューンズ)というパソコンソフトを使用してパソコンと接続することで、音楽を転送し聴取することができる。

https://kotobank.jp/word/iPod-249

ソニーからも同様のデバイス、ウォークマンが発売されていました。高校までスマホを持っていなかった私にとっては長くお世話になったデバイスです。

中学・高校時代使っていたもの
iPod(左)とウォークマン(右)

2004年になるとAdam CurryDave Winerがインターネット上の音源をApple デバイスに取り込むiPodderを開発します。Adam CurryはMTVのVJ(ホスト・MC)でしたが、RSSから情報を取得してくるソフトウェアを開発したDave WinerとともにiPodderを開発しました。

RSS
「Really Simple Syndication」、または「Rich Site Summary」の略語で、Webサイトのニュースやブログなどの更新情報の日付やタイトル、その内容の要約などを配信するため技術

https://www.asobou.co.jp/blog/life/rss-2

iPodder
A marriage of iTunes and RSS, iPodder is a small program that automatically downloads audio files, usually in the MP3 format, from various Podcasts.

https://methodshop.com/ipodder/

発展

同年10月には初のpodcastプロバイダーであるLibsyn.comが誕生し、その人気・認知度は右肩上がりで増加していきました。2005年には"podcast"が"the Word of the Year"に選出されています。
人気の高まりを受け、同年にはAppleがiTunes Music Storeにてpodcastをひとつのカテゴリーとして導入し始めました。
2006年に入るとSteve Jobsが自身でpodcastを制作するデモを行うなど、Appleが積極的にpodcastを取り入れていました。

この後数年のpodcast業界の進歩を列挙してみます。
2007
Ricky Gervaisのpodcastがダウンロード数の世界記録を樹立

GoogleによるFeedBurnerの買収

2008
37%の人がpodcastを聴いたことがあるという調査結果が発表

2009
Marc MaronがWTF podcastを開始(現在まで続く人気番組)

分岐点

着実にリスナーを増やしてきたpodcast。2014年”podcastはこれ以前と以後に別れる”と言っても過言ではない番組が始まります。$${Serial}$$です。

1999年に起きた殺人事件に迫り、冤罪で投獄されたかもしれない男性とホストの対話を配信する。誕生まもないpodcastという媒体を使った新しいエンタメの形がヒットし、本物の犯罪を扱う番組が次々と誕生するきっかけを作りました。
本番組はpodcastとして初めてPeabody Awardを受賞しました。

Peabody Award
正式名称ジョージ・フォスター・ピーボディ賞(George Foster Peabody Awards)はアメリカのテレビ・ラジオ・ウェブサイトの優れた放送作品に贈られる賞。1941年に始まり、メディア関連賞としては最古の賞である。アメリカ放送界における最高の栄誉とされ、放送界のピューリッツァー賞と呼ばれる。

wikipediaより

最近ではTheranosのドキュメンタリーpodcastが話題になりました。

現在

$${Serial}$$の登場以降、線形的に増加していたpodcastリスナーは爆発的な増加を見せ、アメリカでは2019年までの5年間で3900万人から9000万人まで増加しました。

podcastの盛り上がりをApple以外のストリーミングプラットフォーマーが黙って見ているはずがありません。
2008年創業、スウェーデンの雄Spotifyがpodcastに乗り込んできました。
2019年podcast関連会社であるGimletとAnchorを合わせて3億ユーロで買収して以降、podcastの拡充を図っています。

Gimlet Media
Gimlet Media is a developer of a digital media network platform that focuses on producing quality narrative podcasts.

Anchor
Anchor allows anyone to record or upload high-quality audio, host unlimited episodes, and distribute everywhere with just one click.

crunchbaseより

ちなみに私のpodcastもAnchorによって配信されています。

2020年には衛星ラジオ関連会社のSiriusXMがpodcastアプリを提供するStitcherを買収するなど業界の覇権をめぐる企業活動が活発化しています。

将来の展望

podcast市場は2021年からCAGR(年平均成長率)30%以上で成長し、2028年にはグローバルで10兆円の市場になると予想されています。
活字から動画へコンテンツ消費の主流が移り変わる中で、動画を視聴できない時間は耳でコンテンンツを消費する時間が増えることは確かに予想できそうです。

最後に

最後まで読んでくださりありがとうございました!
podcast業界はこれからさらに伸びていく市場です。ですがSpotifyなどのプラットフォーマーがサービスを提供することは課題をも生み出しています。
音楽業界ではアーティストが全体の12%としか利益を得られていない現状があります。プラットフォーマーやレーベルが利益の大半を取っているからです。

podcasterが正当に評価され職業として社会に認められる。そんな社会を目指してサービス開発を行っています。
少しでも興味を持ってくれた方はTwitterからお気軽に連絡いただければ嬉しいです!

https://twitter.com/chaichai_1551



参考記事:
https://www.voices.com/blog/history-of-podcasts/
https://www.grandviewresearch.com/press-release/global-podcast-market
https://medium.com/paradeim/a-brief-history-of-podcasting-2e73cfbca7d0
https://internationalpodcastday.com/podcasting-history/


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