トイレの蓋にまつわる仁義なき戦い

今回の写真は散歩で見つけた野良猫です。今回は愚痴かつ汚い話になりますので、せめてものの癒しに可愛い猫にしました。

数年の一人暮らしを経て、何ヶ月か前から人と暮らし始めました。父以来異性と暮らすのは初めてで、異文化交流に緊張もありましたが、仲良くやっていけるだろうと思っていました。

今では諍いのない日はありません。

その中で私が特にパートナーに疑問に思っているのが
「なぜトイレの蓋を閉めないのか」ということです。

私はトイレから出るときはトイレの蓋を閉める派ですし、さらに言うと閉めてから流す派です。
理由は主に
・流す際に色々なものが飛び散り壁や床につくので匂いや汚れの原因になる
・掃除の頻度を減らすためにも清潔な環境を続けたい、なるべく汚したくない
・温水便座は蓋を閉めておいた方が節電になる
の3点です。
なんなら昨今のご時世的に、「蓋を閉めてから流しましょう」というのは公共の場所で張り紙がされるほどスタンダードになりつつあります。

（話はズレますが、男女共用トイレを使う際、前に入っていた男性が便座の蓋をあげたまま出てきたら女性の7割は少し嫌な気分になると思うんですが、私だけですか？）

さて、こういう理由から私は「自宅ではトイレは大小関わらず座ってしてほしい。流す時も閉めてほしいけど、せめて出るときだけは蓋を閉めてほしい」とパートナーに最初に頼んでおりました。

しかしパートナーはトイレの蓋を、しかも便座まで上げたままトイレを出るのです。
確実に立ってした挙句、蓋を閉めずに流しているのです。

最初は都度言いました。
その度に嫌な顔をされましたが嫌な顔をしたいのはこっちです。
一万歩譲って、トイレの蓋をあげたとしても次に入る人のことを考えて閉めて出ればいいだけなのになぜできないのでしょうか。
蓋をあげるのと閉めるのは同じ労力なはずなのに…

記念日に毎回サプライズとか、フラッシュモブでプロポーズとか、年収一千万になれとかよりよっぽど楽なことなことを要求してるつもりです。

何週間しても治る気配はなく、
いつものように指摘されたパートナーはあるとき「掃除をすりゃいいんでしょ」と便器を掃除しました。

違うのです。便器の掃除はありがたいけど壁や床の汚れが気になるのです。
わかるよ、私が潔癖なのは。だから毎日の掃除も押し付けてはいないし、私が勝手にやってます。
ただ蓋を閉めるだけなのです、あなたがやるべきなのは。

円満のため、一旦便器掃除をすごく褒め、ありがたがりました。

「ありがとう！掃除してくれたの！？すごい便器綺麗だね！」

奴「大変だったよ。床の埃とかも気になったしね」

私「床も掃除してくれたんだ！さすが！」

奴「いや、してない」

私「え、なんで？」

つい素が出てしまった私が悪いのです。
便器拭きにはしっかり「床や壁にも使える！」と書いているのにも関わらず、ホコリを認識してるにも関わらず掃除をしないアンポンタンは何も悪くないのです。
その場で掃除をするのも嫌味ったらしいので、パートナーが寝た後にしっかり掃除をしました。

どうやら何回言っても忘れてしまうようなので、視覚で訴えればいいのでは！と文字で言うことも試みました。
蓋が開いているのを発見するたびに
「ふた」
と2文字をラインで送ることにしました。

冷静に嫌味すぎると思ったので2回でやめました。治らなかったし

毎回言うスタイルに戻してしばらくするとパートナーから意見が出ました。

「これまでの人生俺はずっと立ってしてきた。その習慣をすぐ変えるのは難しい。だから理解してほしい。」

これには私も反省しました。彼のこれまでのトイレ人生を振り返り、確かに急に変えるのは酷です。何より酷なのはトイレ掃除をしていた彼の母だとも少し思いましたが。

新生児がずっとオムツを使っていたのに、トイレトレーニングをするときに母は根気よくずっと取り組まねばならないのでしょう。
夜型の人間が朝方になるとき、会社人間だった人が定年したとき、一朝一夕で順応するものではありません。
私達の問題もそうなのかもしれません。

「わかった。大丈夫。蓋で愛想をつかすことはない。根気よく言い続けるね」

私は理解をした上でそう発言しましたが、相手の反応を見るとどうやら違うようでした。

そのパートナーが先日
「実は住居環境が変わってから、胃の調子がおかしくてずっと吐き気がしているんだ。トイレに駆け込むけど胃液しか出ないこともある。だからトイレの蓋をあげたままにしてしまったんだ」
と言い出しました。

大変です。私は自分の思いやりのなさを恥じました。なぜ彼の体の不調に気づかなかったのか……。
焼肉やら牛丼やらカップ麺をバクバク食べていても胃が悪いときだってあるのでしょう。無理して食べていたのかもしれません。

「そんなにストレスになっていたなんて…本当にごめん…とにかく早く病院に行こう。そんなに長く続くなら大きな病気になってるかもしれないし、胃に穴も開いてるかも……
「いや、病院は行かなくていい」

数ヶ月胃液が出続けていて、1日に何度もそのような状態になるなら流石に病院に行った方がいいのではとは思います。
でもこの場での押し付けもきっとストレスになり逆効果なのかもしれません。
もう蓋のプレッシャーをかけるのはよくないのでしょう。
でも流石にがっつりした料理を出すのは彼にも胃にも悪いので、
今度から蓋が開いていた日には絶対に夕飯をお粥かうどんにしてあげようと思います。

こうして蓋にまつわる戦いは続いていくのです……