詩集『二十億光年の孤独』 谷川俊太郎

タイトルからして変化させちゃってます。すみません。
4日目の今日は、15歳・中学3年生の時に教科書で読み、激しく感動した『二十億光年の孤独』です。
現代詩の巨匠・谷川俊太郎氏の18歳の時の作品だそうですね。
もう本当に天才。
本が新しいのは、15歳の時に買ったのをなくしたのか?見当たらずに買い直したからです。

この中に詩集『二十億光年の孤独』が収録されています。
どれも全部好きだけど、特に「ああ、もう、本当にそうだよね!」と強く共感するのが「初夏」という詩の中の「少年」と小タイトルがつけられた詩です。


・・・・
少年
「永遠とは魂にとって何という倦怠だろう
 そして又何という恐怖であろう
 ある遊星の一時期とその小さな幸福
 ひとつの脳とその美しい恣意の形
 そして
 ひとつの心とそのいじらしい大きさ
 それらの豊かさに僕には答えがない


 人人は疑いつつも満足して倒れた
 智慧は一瞬一瞬にある
 ふたたび初夏は廻ってきて
 僕ははじめて初夏に会う」
・・・・・


ああ、もうもうもうもう、どうしてこういう言葉で人間を、人間が生きるということを、宇宙を、宇宙に生きる人間をこのように表現できるのか。
「ひとつの心とそのいじらしい大きさ」という一節を読むたびに、私は涙がにじみそうになりますよ。
私の父も倒れ、母も倒れ、犬のチャーちゃんも、猫のみいたんも、みんな倒れてしまった。
同時代を生きられたのは、奇跡のようなものだったのだと今になって思います。
卑近な営みと雄大なる営み。
すべてを融合して包み込むこの詩が、私はいちばん好きです。

二十億光年の孤独


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