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この時代に生きているという実感

別に暗い話ではなく、私はつい最近まで亡霊みたいに生きてきた。なんというか、時間の感覚がおかしいというか、時代に取り残されてる感というか。

ちょっとエモい(エモくないかも)言い方をするならば、同時代性みたいなものを感じられずに生きてきたというか。

たぶん、私の感覚は2012年くらいで止まってたんですよね。概念としては現在が2020年なのはわかってるんですが、自分の肌感覚では全然わかってなかったというか。

でも最近、唐突に私の感覚が2020年に合わせられる出来事があった。楽しみにしていたミュージカルの公演が、例のあの憎っくき流行病によって中止になったのだ。

私が行く予定だったものは福岡公演で、中止になったのは東京公演だった。もしかしたら、福岡に来るまでの間に体勢を立て直せるかもしれない。罹患した関係者さんも回復して、みんなで元気な姿を観せてくれるかもしれない。

そんなふうに祈るみたいな気持ちで、毎日を過ごしていた。そうすると不思議なことに、「あ、私は今2020年を過ごしてるんだ。世間の人や、大好きな役者さんたちと同じ時代を生きているんだ」とストンと腑に落ちた。

公演中止という、そんな悲しいことで実感したくなかったけれど、今回のこの件を受けてようやく私は外界との同時代性を感じることができたのだ。

そして、残念なことに先ほど、公式から公演中止の発表が正式に出た。福岡公演だけでなく京都公演もだそうだ。

罹患した関係者さんは回復しているとのことだけれど、万全を期すための中止ということらしい。

仕方がない。覚悟していたことだ。それでも、今猛烈に悲しくて、苦しくて、まだ信じられない気持ちでいる。

このミュージカルのシリーズにハマって、初めての観劇の予定だったのだ。

そして、最推し――つまりはいっちばん大好きな役者さんが出る舞台でもあった。

画面越しではなく、生で、同じ空間で、みんなの演技が観られるのが楽しみだった。熱気を、命の輝きを、すぐ近くで感じられるのが楽しみだった。

それを励みにチケットが当選してからの日々を過ごしていたので、正直今はどうモチベーションを保っていいかわかりません。(今月末締め切りの仕事があるので、どうあっても気合いを入れるしかないのですが)

チケットが当選したとき、たくさんの方からおめでとうと言ってもらえました。編集さんからも「楽しんできたください」とありがたきメールまでいただいて、観劇を待ち望む体験だけでなく、そんなふうに人と喜びを分かち合うこともできました。

だから公演中止になって、せっかく当選したチケットがただの紙に戻ってしまっても、今日までのワクワクした気持ちで過ごした日々の記憶は決してなくなりはしないのですが……

それでも、やっぱり辛いです。

でも、これが2020年を生きているのだなということを噛みしめて、明日からの日々も過ごしていきたいと思います。

無事を祈ってこの記事のトップのイラストを描いちゃうくらい、大好きで楽しみにしていたんです…

楽しみにしていたミュージカル刀剣乱舞を観ることができない私を気の毒に思ってくださった方は、どうか私の本を買ってください(笑)めっちゃ元気出ます!



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