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サントリー「セサミンバイタル」について勝手に考察してみた CM編

こんにちはチャボです。
今回は前回のnoteの第二段です!
前回の反響に味を占め・・・、前回の反応を見て、さらに深く解説したいと感じたので、今回はCMを軸に深堀して考察してみようと思います。

6/13からセサミンバイタルが発売され、CMもちょこちょこ見かけるようになりました。SNSではタナカ―の投稿が散見されていますね。(余談ですが、やはりサプリメントの広告って難しいですね。田中圭のファンの反応が二分していて、「圭くんを色んなとこで見かけてうれしい」というポジもあれば、「そもそもサプリメントのCMなんかに圭くんを使うな。」みたいなコメントも見かけました。苦笑)

今回は関連法規の観点から、このサントリーのCMで気付きにくいちょっとした工夫と今後の考察について簡単に触れたいと思います。

「オレでなきゃ見逃しちゃうね」解説です(ハンターハンター風)

まず広告はこちらです。

CMは2種類あり、
「オレの充電が切れる5時過ぎ」篇
「オレの充電がMAXにならない」篇
があります。
注意しているポイントは共通しているので、今回は「オレの充電がMAXにならない」篇を軸に解説していきます。

広告内での工夫ポイント3点

①言葉の定義

まずこの「充電が切れている」について。こちら皆さんどう思いますか?
多くの方が聞きなじみある表現かと感じると思います。

サントリーのお家芸その1 「日常の言葉とヘルスクレームを紐づけ」
今回の広告内でサントリーは「疲労感」と「充電が切れている」を紐づけています。
機能性表示の場合、「充電が切れている」を注釈なしに単独で使うと、ヘルスクレーム以上の拡大解釈と捉えられ指摘対象になります。(充電が切れるは効能暗示で、かつ拡張した表現とみなされてしまい、機能性表示以上の効能を暗示してないか?という指摘がきます)
しかしサントリーはこの「充電切れる」という表現を、ちゃんと機能性の範囲に紐づけています。動画内を見るとちゃんと注釈があります。
「充電が切れている状態とは、疲労感を感じている状態のこと」

CM内の記載(右側に注釈)

私のYouTubeの初回でも解説しましたが、言葉の定義は非常に重要です。
これによって普段の言葉を機能性表示内に収めることができます。

②充電が切れそう・充電がMAXにならない

さらにこの言葉遣いにも注目です。
各広告内では「充電が切れそう」「充電がMAXにならない」と言っています

このワード、普通だったら(なんとなく、わかるわかるー)と聞き流してしまいますが実はここがすごい工夫してるポイントです。
何かというと、サプリの効能を「健康維持・増進の範囲内にとどめている」部分です。

健康食品はご存じの通り何かしらの症状を「改善してはいけない」のです。
あくまで、「健康維持・増進」の範囲を抜けないことがポイントになります。

それを鑑みた際、この広告内では「充電が切れそう」「充電がMAXにならない」という表現になっておりゼロの状態になってません。
そのため意識的に「充電(≒疲労感)をゼロから復活させる」という表現にならないように配慮してます。
充電が完全にゼロの表現してしまうと、ゼロの状態から回復する=疲労の改善(維持増進から外れる)暗示になってしまいます。サントリーさんはここらへんをいつも気にしてちゃんとセーフラインを設けています。

これだけ聞くと、「あぁ、そんなことか」と思うかもしれないですが、意外としらないとやりがちです。

③最近どう?(商品使用後)で状態が改善しているわけではない

上記と考えは一緒ですが、健康食品は「改善」してはいけないのです。
そのため前段にある通り充電切れてる状態ではないにせよ、使用後の評価で「疲れ知らず」や「充電MAX」と表現してしまうとアウトに近い表現になります。(一撃アウトではないですが根拠出せと言われやすくなってしまいます)
なのでどちらの広告も「充電切れてない!」と留めています。(充電(疲労回復)が100%ではないですが、0%ではない表現)

充電切れてないよ!
充電切れてない!

これだけ見ると(なんだそれだけか。)と思いがちかもしれません。
しかし、ちゃんとロジック分かってないとアホな会社は「充電MAX!」とか「バリバリ仕事できる!」みたいな広告やってしまいがちです。ここにわかってる会社とわかってない会社の違いが出る気がします。
景表法応用編の会でも解説しましたが健康状態はあくまで「維持」であり「改善」してはいけないのです。マイナス状態からプラスへもっていくとリスクが上がることは頭に置いておきましょう。

セサミンバイタルの、先を見据えた広告活動

ここからは筆者の感想です。
この広告ですが、おそらく数年先を見据えた組み立てな気がします。その理由が今までのサントリーウエルネスの広告のやり方に近いからです。

●過去の広告から紐解く セサミンEXの広告
サントリーのシルバーブレットでもある「セサミンEX」
これについて消費者につたえる印象はだいぶ変遷を踏んでいます。
具体的には以下です

「ゴマは日本人が古くから健康食として活用してきた」(2000年代)

「サントリーはこれを長年研究。セサミンは若さの秘訣である」(2010年代)

「実感年齢」(2020年以降 矢沢永吉の広告)

2000年代 サントリー セサミンの広告
現在 サントリー セサミンの広告

上記の通り、長年の広告や企業活動の積み重ねで今のサントリーの資産があります。これらは一朝一夕ではありません。

そう考えたときに今回の「充電切れてる?」という表現は今の若~中年層を意識した表現な気がします。おそらく今後10~20年を見据えて、この表現を若~中年層に向けて定着していこうと考えているのかもしれません。

なのでサントリーの広告は今後の動き方に注目ですね。
おそらく「セサミンバイタル」と「セサミンEX」をつなぐコミュニケーションも数年先には生まれる可能性が高いです。

以上、セサミンバイタルから広告での注意事項を紐解く会でした。
それでは、またお会いしましょう。

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