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東京将棋会館

たのも〜! 道場破りだ! 
ってことで、道場破り……ではなく、初めて東京将棋会館にお邪魔しました。

将棋会館入り口

将棋会館では、連日将棋道場が開かれていて、誰でも自由に、予約などもなく参加できて、同じ手合いぐらいの見知らぬ人たちと一日中対局できます。

料金はこんな感じ。この日は土曜日でしたので、土日祝日料金です。

料金表

将棋道場は、中学生時代に広島将棋センターに通っていた時以来。将棋盤で指すのも、歌舞伎町の飲み屋なんかで時々遊びがてらちょこっと程度なもんで、こういったちゃんとした場所での将棋となると猛烈に久しぶり。ワクワクします。ドキドキします。

そういえばこの建物、日本将棋連盟創立50周年時に作られた建物で、老朽化や対局室の不足、オンライン中継設備の増設などへの対応が急務となっているため、今年移転予定となっているそうで。クラウドファンディングなんかもやっていましたね。今は五階建ての建物になっていますが、移転後はワンフロア全て集約できるようになるとかなんとか。もう数ヶ月後のようなので楽しみですが、何はともあれ、移転前に一度ぐらい行っておきたかったというのもありました。

さてさて、緊張の面持ちで二階対局ルームへ伺いまして、受付で初めての旨を伝えます。室内はほぼ満席で熱気ムンムン。ぱっと見は四割ほどが小中学生、二割ほどが六十代以上、残りが高校生から二十代以上〜といった感じでしょうか。

さて、道場のルールもほとんど知らないまま伺ったのですが、段級位の規定と昇級、段規定はこんな感じ。大幅な連勝か、かなりの高勝率でようやく一つ上がれるイメージですね。

昇級昇段規定

初訪問のぼくはと言うと、もちろん認定棋力がありませんので、棋力認定対局から始まることになります。

中学生時代は確か五級止まりだったので、ぜひともそれ以上を目指したいところですが、なにぶんブランクあり、対面での対局や時間制限のない対局も久しぶりですので、きっとだいぶ下の方からスタートということになるでしょう。

一応「受付では何か参考になる段級位はありますか? 将棋ウォーズとか……」と聞かれましたので、「ウォーズ三級ぐらいです」と回答。

ちなみに、将棋ウォーズでは
十分切れ負け:初段
三分切れ負け:三級
十秒:三級
なのですが十分切れ負けは確実に実力で上がったと言えるのは二級までで、一級、初段は棋神降臨(AI)させた対局が結構あったので、初段のしょのじも伝えず……身の程は知っていますし、いきなり上位と当てられても悲惨な結果になるだけですので。おほほ。

時は十四時。では対局開始。

一局目 お相手:後手番 五級の小四ぐらいの方 手合い:平手
ここ数日勉強、練習し続けていた嬉野流で堂々の開幕。が、とんとん拍子で銀交換まで……と思ったら、うっかり発動。銀をタダで献上し、序盤の序盤でいきなり相手にハンデをつけてあげる大失態。中盤盛り返して勝勢に盛り返すも、最終的には自力の差で惨敗。万歳。感想戦は小学生がリードしてくれて、簡単にふりかえり。「序盤に銀もらえてびっくりして、いきなり勝ったかなと思ったけど、中盤負けそうになってヒヤヒヤしました」との談。そうなんだよ、結構おっさんがんばったのよ。威厳で勝ちたかったが。

二局目 お相手:先手番 五級の小二ぐらいの方 手合い:角落ち
二局連続で小学生との対局。お相手の角落ち。将棋道場に通っているような小学生は、まさに伸び盛りの子たち。年齢にだまされてはいけないし、角おとしてもらって負けるわけにはいかない。先ほどの銀トン死の件もあるので、慎重に進める。とりあえずうかつに攻め合いでうっかりを防ぐ目的で、オーソドックスな居飛車+矢倉囲いを完成させてから様子見。お相手も攻め手に悩んでいるようだったので、さらに慣れない居飛車穴熊へと進化。じっくり受けて、じっくり攻める。流石に完勝。落ち着きのない子で、対局中ずっとよそ見をしていたのが印象的。感想戦なし。一息つく。

将棋道場というところは、本当にわんこそば状態で終わったら次、終わったら次と休むもなく対局が進行します。

三局目 お相手:先手番 三級の六十歳ぐらいの方 手合い:角落ち
ようやく大人との対局。五級に勝利したため、一気にお相手が三級にジャンプ。「なんで俺が角落ちなの〜? やばいわー。今日が初めてなんですか? ウォーズとかは?」なんて会話からスタート。割とお話好きそうなおじさまです。今回も二局目に続き、慎重な駒組。バランス重視で中飛車を採用。持久戦でがっぷり四つからの終盤の攻防で攻め切れず息切れ。最後は押し切られて敗戦。対局前と終わりの会話だけでも、割と面白いおじさんだなーとわかる。会話の印象って大事。将棋も楽しくなりますね。

四局目 お相手:先手番 三級の七十二歳の方 手合い:飛車落ち
なんでピンポイントで七十二と書いたかと言うと、対局前に自己紹介されたから。ごにょごにょおっしゃっててよく聞き取れなかったけど、三鷹の天才と呼ばれていたとか、尋常小学校で、とかそう言うキーワードだけ印象に残った。とりあえず三鷹の天才小学生だったお爺さんには負けられない。こっちは広島の神童だ。飛車落ちなので、居飛車から、じっくり攻める。お相手が無駄に駒を切っていくスタイル? で、何もしないまま優勢が確定。そのままなんなく勝利。慎重に慎重をきしたので、ほとんど駒を取ってなすすべない状態にしてからつませに行ったりしたもので、ちょっと怒ったかな? まあ、参りましたもしないもんだから、仕方がない。終わった瞬間にぐしゃりと駒を片付けられて感想戦はなし。

将棋道場では、勝利した方が二人分の対局カードを受付に持って行くシステム。そのまま渡すと速攻で次の対局に呼ばれてしまうので、ここで「休憩!」宣言。わんこそばを一旦中断する。といっても、お手洗いに行っただけ。早々に再開。

五局目 お相手:先手番 八級の小三ぐらいの方 手合い:平手
四局目までの認定対局で僕は七級スタートと決まったようだ。ここからの対局は、冒頭に書いた昇級ルールで進んでいく。平手の場合は、級の低い方が先手。僕が先手番の平手なら初戦同様嬉野流をぶっ放したかったのだけど、あいにく後手番のため、ここもオーソドックスに居飛車で進める。振り飛車の気配ではあったが、ここでまさかの向かい飛車。向かい飛車対策とか全く知らないんですが……。よくわからないまま、攻めてもこないので、再び慣れない穴熊へ変化。割とギリギリの攻防で、最後の方は穴からクマさん追い出されたものの、一手違いの刺し違いを読み切って完勝。認定後初戦を勝利して浮かれる。

六局目 お相手:先手番 二十代後半ぐらいの方 手合い:平手
大人との対局の方が、やっぱり色々と安心しますね。この方も今日が初参加だそうで、普段はネット将棋ばかりという僕と同類のお方。今回も後手番につき、相居飛車の戦型。じっくり指して、互角からやや勝勢へ。このまま勝ち切れるなぁと思い、読みに読んだ一手が、まさかのうっかりで飛車を奪われトン死。惜しい将棋じゃった……。いやぁ、対面でやっていると、うっかりした時のポーカーフェイスむずいですね。いや、フェイスどうしたって、まあなんの罠もないタダどりってすぐわかるんだけど。思わず「うっ」って言っちゃったのを誤魔化すかのように、違う手をささっと打ってしまった。くやしい……。感想戦は、飛車のただ捨て前に巻き戻してそれなりに。感想戦でも、まあこれなら普通に勝ててましたよねーで終了。

七局目 お相手:後手番 二十代前半ぐらいの方 手合い:平手
やってきました僕の先手版。嬉野流うっひょーで序盤順調。驚いたのは、角交換ではなく、お相手が飛車を渡してきたこと。その後も勢いに乗じて二枚飛車で一気呵成に攻撃アンド攻撃。が、どうも攻めが続かない。続かないながらも優勢のまま終盤だったはずが、僕の集中力も限界か。ここでも最後の最後に龍を無償献上してしまい、ジ・エンド。感想戦も序盤から再考、だいぶ長いことやりましたが、この方、一手一手かなりの長考派で、まあそれに呼応するように僕も長考したので、この対局だけ感想戦まで含めると一時間半ぐらいかかったかしら? まあ、長考した結果、最後が凡ミスってのが、自分らしい。そう、自分らしい……。

そんなこんなで時刻は十八時半。満員だった対局室も、気づけば閑散としていて、凡ミス続きだったことで集中力も切れたんだろうなということでこの日は終わりにしました。

初めての東京将棋会館、中学生以来の将棋道場、めっちゃひさしぶりの対面対局でしたが、藤井八冠の影響か? 道場は満員御礼、活気あふれる対局室で、否応もなくモチベーションも上がり、また程よい、あるいは過度な緊張感も味わえまして、充実した一日となりました。本当は内心五級スタートいけるんじゃないかなぁとうっすら思っていたんですが、大事なところでの凡ミスがこうも多いと、やっぱりそうなりますね。

また、ちょくちょく通いつつ、昇級を目指したいと思います。

帰る頃にはすっかり日も暮れておりました。

夜の将棋会館

では、みなさま良い将棋ライフを。

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