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今でもずっと

ほら、やっぱりね。

あの頃の思い出を話し始めたら、頭はあの人のことでいっぱいになってしまう。こんなに鮮やかに、色を持った話が口から出てきてしまうのは、あなたとの思い出がカラフルだったから。

2人で半分こして食べた焼きたてのパン、一緒に手を繋いで歩いた帰り道、一緒に座っていたベンチ、浴衣姿を可愛いって褒めてくれなくて拗ねて喧嘩した夏祭り、また来ようねと約束した最初で最後の遊園地、毎日夜寝る前に当たり前のようにしていた電話。

あなたがくれたプレゼントだって、2人で作ったお揃いのオルゴールだって、まだ取り残されたまま。思い出と一緒に、私の想いも一緒に、取り残されたまま。3年経った今でも、つい昨日のようにあなたとの思い出は蘇る。あの頃の気持ちも。

あの頃に見た景色はキラキラ輝いていたはずなのに、今見る景色は色褪せている。同じ場所なのに、込み上げてくる気持ちが今は切ない。キラキラは幻想だったのか。

秒で返ってきたLINEの返信、何日も日を跨ぐようになった。

手に取るようにして伝わったあなたの気持ち、態度、表情。今は、何も伝わらない。

大好きな気持ちで止まったまま。



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