lishogi情報(11/25 20時時点)

lishogiに関して一部致命的な問題が発覚したので、その情報共有をしておこうと思う。またこの問題に関しては最後に私見を述べたいと思う。

バグ情報

・局後解析で、成る指し手の際に check 音声が流れる(軽微)

・「打ち歩詰め」と「連続王手の千日手」が反則負けにならない
(critical:早急に対応)


反則負けにならない挙動に対する私見

二番目の致命的なバグはこの数日の間で報告があり、開発陣が「将棋の根幹に関わる問題」なので早急に対策を取ることを表明している。

この問題を見て「そもそもなぜ不完全なのにリリースしたのか?」といった疑念や、人によっては怒りに近い感情を抱くかもしれない。そう、確かに現状では、勝敗に直結するルールが正しく処理されていなかったことになる。その点は否定できない。

しかしこの問題について、僕は以下の二つの観点で持論を述べたいと思う:

1.将棋とチェス文化の違い
2.上記に関連して、オンライン対局のプラットフォーム構築の難しさ

そもそもなぜこのようなことをわざわざ述べなければならないのか?厳しい言い方をすれば、将棋のボードゲームとしての奥深さの割に、競技人口が世界的に見ると少ない。それはある意味で当然であり、世界規模でプレイヤーがいるチェスや、そもそも人口が桁違いの中国における象棋と比べて、日本の将棋は絶対的に競技人口が少ない。それも日本国内で半分閉じているような、いわばガラパゴス的状態である。そのような状態の中でわざわざ海外の開発陣が将棋に注目して、その普及に寄与しようとしているのに、何故鎖国みたいな態度を日本人が取らなければならないのだろうか?

やや話がそれてしまった。ではどうして将棋の反則判定が正常に出来ない(もれてしまった)のか?そこにはチェスと将棋の文化の違いがあると指摘した。そもそもチェスはいわゆる反則手(専門用語で「イリーガルムーブ」という)を指すことはできない決まりとなっている。

といっても公式大会で無尽蔵に出来るわけではなく、一度目は警告と対局相手に持ち時間を加算、二度目に敗北扱い、などと順序が取られる。では将棋はどうなのか?反則手は指摘されれば則、敗北である。この差が問題を引き起こしていると考えられる。つまり、チェスは反則手を指すこと「そのものが」許されていないのである。

すると二番目の問題に繋がる。つまり「反則手が許されていない」チェスの考え方をオンライン対局で実装するとなると、必然的に「指せない手は指せない」、別の言い方をすれば反則という考え方を備えようがないのである。そもそもlishogi自体がlichessベースなので、余計に組み方がチェス的思考になってしまう。

とはいえ、これだけは主張しておきたいのが、開発陣はこの問題を認識してすぐ修正に取り組んでいるということである。積極的に開発、議論が行われている今後にも期待したいものである。

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