lishogi更新情報(1月8日)

読者の皆様、今年もよろしくお願いいたします。

さてlishogiではこの年末年始の間に念願の機能が続々と実装された。一度記事を書いても良かったのだが、今日まさに更新された機能が実装間近であったことから、その実装を待って記事を書こうと自分の中で決めていたので遅くなってしまった。さて、それら機能を見ていこう。

追加された機能

・秒読みの実装!!!
何を差し置いても、秒読み実装を抜きにlishogiの年末に起こった大きな進化は語れない。lishogiの公式ブログ(今回も翻訳させていただいた)にも書いてあるが、時間管理について、フィッシャーは記号+の後に、秒読みは記号|の後に秒数単位で表記される。レート戦は従来通りの切れ負け、あるいはフィッシャーか秒読みの一方のみを採用した場合にできる。このような書き方をしたのは、フィッシャーと秒読みが両立できるという、なんとも珍しく斬新な状態が可能だからである。ただし、この両立についてはDiscord内部でも議論が行われているので、将来的に仕様変更があるかもしれない。その際はまたお知らせしようと思う。
それでも、これでlishogiの楽しみが増えたことには間違いない。ローンチ当初は10秒将棋などができなかったが、その点も改善された。秒読みは30秒だけでなく、1秒から180秒まで幅広く設定できる。持ち時間なし、秒読み1秒のウルトラバレットもできますよ(未プレイなので、どんな世界か想像がつかないけれど!)。

また「追加の」秒読みの回数も指定できるようになった。この仕様は囲碁の世界では馴染み深いらしいのだが、将棋ではいまいちピンとこない人がいるかもしれない。もしNHK杯を見ているならば、そこでの追加の考慮時間システムに近いものと解釈して良いであろう。通常の秒読みならば回数を1に設定し、複数回ならば最大5回まで適用できる。なお、2回以上の設定ではレート戦を行うことはできない。

・クリックで持ち駒を打つことが可能に
これまではドラッグでのみしか持ち駒を打つことができず、特にタブレット機器などのユーザーから不評であった。その点が改善されたことにより、PCブラウザのみならず、タブレットやスマートフォンユーザーにも優しい仕様となった。

・配信機能との連携
もしこの読者の中に配信がいて、lishogiを使って将棋配信をしようと考えているならば、配信者登録を検討してみるのはいかがであろうか?配信者登録を行い、モデレーターによる承認がおりるとlishogi配信がサイトのトップに表示されるようになる。配信プラットフォームはYouTubeLiveTwitchの二つである。
ただし当然ながら配信内容はlishogiに関するものだけに限定される。詳しいルールはlishogiサイトの配信者ページなどを確認してほしい。

・盤と駒の追加
より本格的な将棋らしく、より工夫を凝らしたオリジナル盤面にもカスタマイズ可能となった。サイト背景の設定を透明にすることで、自分の好きなものに設定できる。自分ならではのlishogiサイトをカスタマイズしよう。

・サーバー解析エンジンに「やねうら王」が追加!
コンピュータ解析が可能となった。ただし、やねうら王が使えるのはサーバーサイドで、平手の場合のみに限定されるそうである(変則将棋などでは現状クラッシュするらしい)。ただどうしても時間がかかる(解析は分散ネットワーク上で行われるため、空いているマシンがないと解析ができない)ことと、評価値などは当然ながら他のエンジンと結果が違う場合もある。もし自分のマシンスペックに余裕がある、あるいはエンジンにこだわりがあるならば後述する棋譜出力機能から自分で解析しても良いであろう。

・kifu出力に対応!!!
これもずっと待ち望まれていた機能である。それまでは棋譜を手入力するか、あるいは別サイトを経由した棋譜変換機能を使うしかなかった。それが標準でkifu形式の出力に対応することとなった。この記事を書いている段階では、実装されたとの情報しか得ていないためShogiGUIなどの解析を試していないが、問題なく動くであろう。これでオリジナルの解析や感想戦もより行いやすくなるに違いない。


注意点と今後の改善点

さて追加機能についておおよそ説明してきたが、現状でもいくつか注意点があるのでここに記載しておこう。

・読み上げがない
残念ながら、現状秒読みを読み上げる機能(主にボイス周り)が整備されていないので、秒読み時は残り時間に注意しなければならない。

・トライルールに関して
トライルールであるが、聞くところによると参考にしたと思われる英語版Wikipediaの説明と実際のトライルールの間に不一致があったらしく、正しく機能していないようである。

現在は「相入玉時に」相手の初期位置へ合法的に玉を到達させれば勝ちとなっているようである。本来のトライルールであれば、相手の玉の位置は無関係に、自分の玉が目標地点へ到達すれば勝ちとなる。この相違点については報告が上がっており修正がなされるものの、それまでオンライン対戦の時には注意をしておいてほしい。いずれは修正がなされ、その次には宣言法も導入されるはずである。その点は開発陣も取り組んでいるので、ユーザーとしては辛抱強く待ってもらうしかない。


オンライン将棋対局サイトとしてはかなり機能が整ってきている。そして一時期は危惧された接続者数も増えているように感じる。まだ物足りないと感じる節はあるかもしれないが、多くの支えによってサービス開始から数ヶ月でここまで進化してきたのである。ここから新たな出会いと名局が生まれる事を切に願っている。

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