【アート時事】現美新幹線のる・のらない

世界最速の美術館こと現美新幹線が運行を終了するらしい。

以前みどりの窓口だったかどこかにパンフレットが置いてあり「乗ってみたいな~」とはぼんやり思っていたのだが、それっきりになってしまっていた。

去るものにこういうことを言ってはいけない気もするが、なんか、あまり話題になることがなかった新幹線のような気がしている。

運行が開始されたのは4年前、リオ五輪の開催された2016年。
走っている区間は、越後湯沢~新潟という、新潟県内限定の新幹線だ。

乗車率の推移はわからない。でもなんとなく、低かったのではと心配になる。

新潟県には、いまのところ、遠方から人を集めるようなパワーを持った美術館が存在しないのだ。
「ついでに乗っちゃう?」がないのである。

「大地の芸術祭」は有名だが、これは「トリエンナーレ」。要は3年に一度しか開催されないので、乗車率にはあまり貢献しなかったと考えられる。

個人的には、青森行の新幹線が同様の企画をしたら、もっと話題になったのではないかと思う。
青森県立美術館と、十和田市現代美術館。この2つは人気が高く、遠方から訪れる人も多い。(私も関東からはるばる見に行った)
「どうせ行くなら新幹線にこだわってもいいかも」と思う人もいるはずである。

***

ということで、ここまで「新潟=アート」のイメージがないと書いてしまったのだが、本当にないのか。私が無知なだけではないのか。
不安になって調べたところ、なにやら気になる宿泊施設を見つけた。

「夢の家」
あわただしい現代生活の中で「自分自身と向き合うために、夢を見てほしい」との願いから生まれたマリーナ・アブラモヴィッチによる宿泊体験型作品。
作家がデザインしたパジャマを着て、オリジナルのベッドで眠る。朝、見た夢を書き残して「夢の本」をつづっていく、宿泊者と宿泊体験そのものがアート作品に。
「夢の家」でしか体験できない一夜をお過ごしください。
※引用元:http://www.tsumari-artfield.com/dreamhouse/

上記の文章を読んで、どんな宿泊施設をイメージするだろうか。
リンク先をぜひみていただきたい。
面白いと思うが、個人的にはオリジナルベットがホラーであった。(そこがポイントなのは承知なのだが)

現美新幹線。
気にはなっていたし、12月までは乗れる。
でもやっぱり、私もこの新幹線には乗らないまま、最終日を迎えてしまう気がするのだ。



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