地域ブロック別学習会にみる「顧問拒否」の広がり

 今年1月から2月にかけて、部活動問題に関するオンライン学習会が次々と開催されました。これらは、「来年度こそは部活動に休憩や自己研鑽の時間を奪われたくない!」という教員の方々のニーズに応えるために、各地のPEACH加盟団体が共催したものです(※1)。学習会の内容は地域によって多種多様となりましたが、顧問拒否を検討している方々の質問にPEACHメンバーが先駆者として答える光景は、全ての学習会で見られました。

各地で開催されたPEACHの部活動問題学習会

 ここでは、とりわけ参加者の多かった北海道・東北・北関東ブロックの様子を紹介させていただきます。当該ブロックの学習会は、当初予定していた1月4日に加えて、2月11日にも開催されました。「今年こそは顧問拒否しよう! 令和時代のブカツと学校教育を考える会」というタイトルで、計14名が集う賑やかな会となりました。

北海道・東北・北関東ブロックの部活動問題学習会

 学習会の前半では、すでに顧問拒否に成功しているPEACHメンバー2名がそれぞれプレゼンテーションを行いました。驚くべきことに、2名とも元BDK(部活大好き教員)だったそうです。「初任校で部活こそ大事だと教わり、土日に休みたいなんて教師失格だと自己洗脳していた」「負担の重い部活動を任されて優越感に浸っていたが、実際は便利に使われていただけだった」「部活ばかりで、我が子のことを何も知らない自分に気づき、反省した」等のコメントが印象的でした。部活が好きか嫌いかという話ではなく、部活が人権侵害を前提とした不誠実なシステムであることが一番の問題だとした上で、「不当なことに黙っている教師によい教育はできない。子どもたちには正しいことをしなさいと言っているのに、自分がおかしいと思うことをやってちゃいけない」という熱い言葉を聞くことができました。また、顧問拒否したら職場の若手教員に尊敬されるようになった(今は彼らも顧問拒否している)というエピソードも語られました。「拒否したことで悪口を言ってくるような人は、もともと自分とは交われない人なのだから、気にし過ぎる必要はない」という言葉は自信と説得力で溢れていました。

 学習会の後半は、質疑応答および懇談の時間としました。「初任者が顧問拒否することは難しいか?」「異動のタイミングで顧問拒否するためにはどうすればよいか?」「顧問への就任が完全希望制になる未来は見えてきているか?」等の質問が寄せられ、話題の尽きない充実した時間となりました。また、私立学校では偽装請負のような形で教員が顧問をさせられるケースもあることや、非正規教員については雇用が不安定なのをいいことに顧問就任を条件のような形で示す悪質な教育委員会があるといった情報も寄せられました。

 今回の地域ブロック別の学習会を通じて、新たに何名かの方にPEACHに加わっていただきました(※2)。引き続き、部活動によって人生を奪われない社会を目指して積極的に活動して参ります。最近では、新たに「管理職に顧問拒否通知文を渡そう」という取り組みを始めました。「顧問拒否したいけど一人では不安だ」という方は、お気軽にお問い合わせください。

※1 PEACH加盟団体については、こちらをご参照ください。学習会の運営に加わるかどうかの判断や、学習会の具体的な日程・内容については、各地の加盟団体に一任しました。

※2 PEACHへの参加については、「よくある質問」をご参照ください。

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