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Sentinel-2から影の影響を減らす法(4)-DEMファイルの設置-

こんにちは。
ご覧いただきありがとうございます。
前回3回目でDEMの作成は終わりましたが、じゃあこのファイルを、どこに置くのかというのが、今回のお話です。

置き場所はドキュメントの中

結論から言うと、Windowsの場合、
「C:/Users/*****/Documents/sen2cor/2.8」フォルダ以下に置きます。
*****はご自分のユーザ名です。
ただこのフォルダにはDEMだけではなくて他のフォルダとファイルも置く必要があります。フォルダとしては、cfgやlog、ファイルとしてはL2A_GIPP.xmlなどです。
これらすべてを自分で配置するのは結構面倒です。勿論それが正しいのですが、プログラムをダミーで動かして、プログラムに配置してもらう方法を紹介します。
やや邪道ですが、楽なのでこの方法で紹介します。
また処理のフローや、パラメーターの設定については、以下もご覧ください。
Software User Manual
Sentinel-2 Level 2A Input Output Data Definition

Sen2Cor2.8をDEMの場所を指定してダミーで動かす

次のような順で動かします。

1.Sentinel-2のLevec-1Cデータを読み込む
今回は前々回と同様、S2A_MSIL1C_20190508T012701_N0207_R074_T54STE_20190508T032504.SAFEのファイルを使います。Open Product アイコンをクリックし、上記フォルダの中にあるMTD_MSIL1C.xmlをOpenすればOKです。このダミー操作では、画像は見ないのでこのままでOKです。

2.Sen2Cor2.8を起動する
名前としてはSen2Cor280となっていますがそれを起動します。
I/O Parametersにファイルが設定されていることを確認します。

Sen2Cor280を起動
I/O Parametersにファイルが設定されている

3.Processing ParametersにDEMの処理を加える

デフォルトで次の画面が現れます。これのうち①,②,③を設定していきます。本来は他の項目も設定するのですが、今回はダミーなので触らないで大丈夫です。

Processing Parametersのデフォルト

これを①、②、③のように書き換えます。②は英数字であればどんな名前でも良いですし、サブフォルダは作っても作らなくてもいいですが、最初のフォルダには/(スラッシュ)を付けないようにしてください。また最初に③をチェックすると設定画面が小さくなってしまうので注意してください。

Processing Parameters設定後

4.Sen2Cor処理を実行

この状態でOKをクリックして実行させます。Display exectuion outputをチェックしたのは、ここで処理状況を見るためです。
初回実行時に、C:/Users/*****/Documents/sen2cor/2.8の下にcfgというフォルダが作られ、そこにL2A_GIPP.xmlというファイルが置かれます。更にもう少し待ちます。

Sen2Cor2.8を実行して、設定ファイルが書き込まれている部分

DEM terrain correction を有効に、また、demの置き場所をdem/gsi10と書いたのでそこを読みに行くのですが、当然ファイルはありません。またファイルがないときには、
http://data_public:GDdci@data.cgiar-csi.org/srtm/tiles/GeoTIFF/  
にデータを読みに行くようになっていますが、これもリンクが切れているのでうまくいきません。実行画面にも図のようにエラーが出ます。
ここまで来たら、実行画面はCancelして実行を中断してください。なお、放置していても実行は進み、結果として地形効果補正しないファイルが出来上がるのですが、時間がかかるだけで意味がないです。

DEMデータの入手先がリンク切れしているのでエラーになる(これは終了後の画面)

この段階で、C:/Users/*****/Documents/sen2cor/2.8の下に戻ってみると、先程指定した場所②に、dem/gsi10という空のサブフォルダが出来ていることがわかります。

dem/gsi10という空のサブフォルダが出来た

おめでとうございます。これでやっと今まで作ったDEMを配置することが出来ます。このフォルダ下部に作ったDEMのGeotiffファイルをコピーして配置してください。ワールドファイル(拡張子tfwのファイル)はおそらく不要ですが、大したファイルサイズでもないのと、後日修正の必要なときに使えるので入れておきましょう。

dem/gsi10に前回作ったDEMを配置する

logフォルダは処理の内容が入っているものです。どんどん溜まってしまうので、不要ならば定期的に中身のファイルを削除しても構いません。

まとめ

今回はDEMファイルの設置の仕方について説明しました。
実は私はSen2corのスタンドアロン版を最初に使っていたので、もうすでに置いてあったりしたのですが、今回説明用に最初からSNAPとSen2Corプラグインを使って、検証したところ、こちらのほうが楽だったの今回この方法で説明しました。何もインストールされていないノートパソコンでも検証しました。

次回は5回目ですが目的であるSentinel-2画像の地形効果補正、大気補正処理を説明したいと思います。事前準備が長くなってしまいましたが、やっとご説明できます。よろしければご覧ください。

いつもは北海道に本拠地を置くNPOに所属し、環境保全を主な題材としてGISやリモセンに関する仕事をしています。
コンサベーションGISコンソーシアムジャパン の活動もその1つです。

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