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国土地理院の最適化ベクトルタイル試験公開データ建築物と道路関連データには何が入っている?(図解)


はじめに

こんにちは。
以前、道路中心線について何が入っているのか?と、同じような記事をnoteで書きましたが、先日紹介した最適化ベクトルタイル試験公開データのうち、興味のあった建築物についても、同じような疑問が生じたので調べてみました。
建築物、道路関係データも我々のホームページ(コンサベーションGISコンソーシアムジャパンのホームページ)でも関心が高いデータで、データの中身についての質問も多くあります。
最適化ベクトルタイル試験公開データでは、道路のデータが道路中心線、道路縁、道路構成線に整理されたので、それらも改めて紹介します。

単純にコードを地図として色を付けて表示しただけなので、備忘録的にご覧ください。

コードの意味については、属性等の仕様詳細をご覧ください。最適化ベクトルタイルデータでは、全てがコード(数字)ではなく、所々日本語になっているところもあるようです。

一部地域をコンサベーションGISコンソーシアムジャパンで扱ってます

これらのデータのうち、宮城県と神奈川県分を建築物(最適化)(仮)、道路データセット(最適化)(仮)として試験的に公開しているので、ご興味の有る方はまでアクセスしてみてください。ただし申請が必要です。
(23/7/18 秋田県分を追加)
属性名が文字コード(UTF-8 3バイトと SHIFTJIS 2バイト)の問題で欠損してしまうのを避けるため、今回はシェープファイル形式ではなく、全てGeopackage形式(拡張子gpkg)て提供しています。

QGIS3.x系のデフォルトGISデータフォーマットなので、QGISでは間違いなく読めます。ただArcGISPro系では少し注意が必要で、

  • フォルダから当該gpkgファイルを開いてダブルクリックし、

  • main…で始まるデータを選んだら、

  • 右クリック「Mapに追加」ではなく、そのままマップの中にDrug&Dropする

ことで開きます。明らかに変わった操作ですが、現状のArcGISPro 3.1.2では、これしか方法は無いようです。

建築物と道路中心線

vt_code(地物種別)

まず、建築物ポリゴンと道路中心線ラインのデータについて、もっとも基本的なコードであるvt_code(地物種別コード 4桁の数字)で色分けしてみました。日本語はコードではなく分類名で、わかりやすさのために付与しています。鉄道や地名のデータがないので、地図としては違和感はありますが、煩わしくなるので、あえて抜いています。
道路中心線を建築物の上に表示しているので、建築物の上に道路が有るように見えますが、わざとです。

また、図には施設名などがわかるようGoogleMap航空写真へのリンクを付けてあります。

都市中心部では、堅ろう建物もしくは高層建物が、周辺部で普通建物が多いことがわかります。桜木町駅周辺で、駅のホーム、ペデストリアンデッキ(ここでは動く歩道)などは普通無壁舎とされることが多いようです。ランドマークタワーは高層建物です。
相模大野駅周辺には堅ろう無壁舎がありますが、そこでは立体駐車場です。
これをGoogle MapのStreetViewで確認しているのですが。。。

建築物と道路中心線をvt_codeで表示したもの JR桜木町駅付近
Google Mapへのリンク
建築物と道路中心線をvt_codeで表示したもの 小田急相模大野駅付近
Google Mapへのリンク

rdctg(道路分類、高速道、国道、都道府県道など)

次に建築物は変えずに、道路中心線をvt_rdctg(道路分類)で示してみました。前述のサイトでも高速道、国道、都道府県道情報の有無は問い合わせの多い情報です。

道路中心線をvt_rdctgで表示したもの JR桜木町駅付近
道路中心線をvt_rdctgで表示したもの 小田急相模大野駅付近

rnkwidth(道路幅員分類)

今度は、道路中心線をvt_rnkwidth(道路幅員分類)で示してみました。これも問い合わせの多い情報です。ランクであって真値ではないので注意は必要です。

道路中心線をvt_rnkwidthで表示したもの JR桜木町駅付近
道路中心線をvt_rnkwidthで表示したもの 小田急相模大野駅付近

道路縁と道路構成線

最後に道路縁と道路構成線を示します。ソースレイヤーとしてはRdEdgとRdComptとなっているものです。注意が必要なのはこのデータはズームレベル17にあるということです。
このデータのみ小田原駅付近の情報も載せいます。
また、図が煩雑になるので道路中心線は示さず、建築物も一色にしています。
中央分離帯は有るものの、歩道がなかったり、車線がなかったりしますので、道路構造が完全に再現されているわけではないですが、建築物との位置関係などは概ね分かると思います。
桜木町駅付近のデータでは、首都高横羽線の地下構造も見えます。

道路縁と道路構成線vt_codeで表示したもの JR桜木町駅付近
道路縁と道路構成線vt_codeで表示したもの 小田急相模大野駅付近
道路縁と道路構成線vt_codeで表示したもの 小田原駅駅付近
GoogleMapへのリンク

まとめ

今回は最適化ベクトルタイル試験公開で提供されているデータのうち、建築物と道路関係の3データについて図解してみました。
建築物はポリゴンのみとなったので、扱いは簡単になった気がします。
道路は3つに区分されたわけですが、これの扱いはあまり変わらないかなという気はします。一部属性がコードではなく日本語になったので、プログラマーではなくGIS的に作業したい人(私のように)にとってはひと手間減った気もしますが。
PLATEAU(プラトー)のデータ整備と重なる地域もありますが、自然環境・生態系分野の関心領域には、都市部以外の地域もかなり多く、必ずしも一致しません。
また、建築物について言えば、階層、構造、世帯数などが大事になってくるので、そのへんは両者上手に使っていきたいものですね。

最後に

ここまでご覧いただき、ありがとうございました。

普段は北海道に本拠地を置くNPOに所属し、環境保全を主な題材としてGISやリモセンに関する仕事をしています。

コンサベーションGISコンソーシアムジャパン の活動もその1つです。
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