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💕にゃむ💕の『看護まがじ〜ん』

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30年以上、自分のスタイルでやりたい看護を自由にのびのびとさせて頂いています。緩和ケアや認知症に関する記事が主になるかなぁと思います。
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#がん

一晩だけ

神さまは 一晩だけ 家族の待つ家に 彼女を 帰らせてあげるねと言った そして ニ晩目を迎える前に 約束の日だね・・・って 天使たちが迎えに来た 最期に 地球の空気を 小さく吸い込んで 動きを止め やわらかな光を放った ……⭐︎ 働き者で 元気いっぱいの楽しい彼女のまわりには 沢山の親族が囲んでいた この人たちにとって どれだけ大切な人だったのか お元気な頃を知らない私たちも 容易に想像ができた 意識もかなり薄れている状態で ようやく瞬きでYe

あっけない

「今月いっぱい生きれるかなぁ」 すっかり頬がこけた80歳代の男性が 布団から顔を出して力ない声で言った。 「もう生きれないかなぁって感じがするんですか?」と私が聞く。 「いや、そうなことはないけど。でもどう思う?」 「今月はこの調子ならきっと大丈夫。何ヶ月も大丈夫かってきかれたらそれはわからない…。」と答えた。 「いやさ〜、今月みたいな寒い時じゃなくて、もうちょっと暖かくなってからがいいなぁって思ったんだよね〜」と 乾いた唇で語った。 「寒い時はやめとこ。暖かくなって

イメージセラピーのシェア/がんと闘わないver.

<はじめに>これからの時代は、『治る病』と言われている“がん”。 今回は、“がん”のかたにイメージを用いて関わらせて頂いた時のことについてまとめてみた。どなたかのお役に立てるかもしれないと思い、少し前から大切にあたためていた記事でもある。 今は、生涯で日本人の2人に1人は、“がん”になると言われている。だから私だけではなく多くの人にとって身近な疾患だとも言えると思う。とはいえ、世間では、まだまだ重い感じはあるような気がする。 病院の中では、3大治療法【外科療法(手術)・放

¥100

コ・ウ・カ・イ(後悔) / あの時が最初で最期になるなんて・・・

“1時間半”・・・。 彼と一緒に居たこの1時間半が、最初で最期になるとは思わずあの時間を過ごしていた。 彼は、50歳代の独身男性の剛(つよし)さん。 薄暗い部屋の中でも彼の中肉中背の体が黄色く(黄疸)見えた。 そして異様なほどの大きなお腹(腹水)をみれば、“がん”が、彼の意思に反して体を占領していることが一目でわかった。 受診した時には、既にエンドステージの状態だった。 ついこの間までバリバリとサラリーマンをしていた彼が、この短い期間の中でこれだけの体の変化を簡単に受け入

コロナ禍での看取りのヒント〜逢えない愛する家族への工夫をシェア〜

【はじめに】2020年1月から日本でもコロナ感染の報道が始まり、はや1年4ヶ月が経った。感染リスク回避の為、病院の中での「面会」や「看取り」の事情も大きく変化している。訪問看護の中でもコロナ禍においてもたくさんの看取りがあった。 看取りの場は、大きくは、「病院」か「施設」か「在宅」に分かれる。介護者のマンパワー不足であれば、ご本人が家で過ごしたいと思ったとしても叶わないこともある。それぞれの家族の事情や環境によって選択が変わってくる。 それに加えて今はコロナ禍。病院や施設で

届け!海の向こうの家族に 〜コロナ禍での看取り 第2弾〜

<はじめに>コロナ禍の看取りの第2弾となる。第1弾の記事はこちら。 前回の記事にも書いたように感染予防という観点で、家族の人生の最期なのに逢えないというケースもよく伺う。当たり前のように諦めなくてはいけないことになりつつある。最期の瞬間を見届けることも辛いことではあるけれど、逢えないことは、もっと辛い。今回は、海外在住のご家族がいるかたのお話をしようと思う。 国内でも中々、家族に逢えない状況の中、海外に住むご家族にとっては、大きな苦しみではないだろうか。 <アキラさんのこ

仙人が最期に選んだのは<ヘアゴム>

出逢いあの瞬間、ヘアゴムを指さしたあの仙人を 私は、心からかっこいいと思ったし、 足元にも及ばないと思った。 と同時にこれまでの人生の寂しさも感じた。 その仙人には、その日初めて会った。 俗っぽい世間から離れて 独特の世界を持たれている空気があった。 白い髪が伸びた齢を重ねた男性だった。性別も男性とも女性とも違う中間の感じがした。 まるで「仙人」のようだったので敬意をもって このようにここでだけ呼ばせて頂くことにした。 初めて会ったのにウエルカムな感じだった。 昔から

命がのびたコゲさん

コゲさんの選択余命1年の宣告を受けたのに2年もおまけの人生を貰っているコゲさん。 がんになってっもタバコを吸いまくって焦げ跡だらけなので命名コゲさん。 水分を失った痩せたコゲさんのカラダにタバコの煙がへばりついた。 ご本人にとっては、不本意なネーミングだろうけど。 火がついているだけで安心するのだという。 安心が形になった焦げ跡。 その焦げ跡を笑っていられる奥様も最高。(火事は怖いけど!) コゲさんは、お金には何も不自由がない人生。 お金に不自由だらけの私からは羨ましい。

五十路で人生彷徨ってる人間

夢を持つことに期限はあるのだろうか? 93歳のハナさんとテレビ番組を観ていたらタレントさんが「夢に向かっていこう!」と片手を振り上げて言っていた。 ハナさんは、テレビのこちら側からすっこーんと速攻で返した。 「夢なんてもうないわ」と笑って返したのを思い出した。 その時に年齢を重ねたら夢は持ったらいけないのか?と悲しい気持ちにもなったが、いや、持ってもいいんじゃね?とも思った。 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 五十路を過ぎた今。 まさか、自分がそんな年齢