コ・ウ・カ・イ(後悔) / あの時が最初で最期になるなんて・・・
“1時間半”・・・。
彼と一緒に居たこの1時間半が、最初で最期になるとは思わずあの時間を過ごしていた。
彼は、50歳代の独身男性の剛(つよし)さん。
薄暗い部屋の中でも彼の中肉中背の体が黄色く(黄疸)見えた。
そして異様なほどの大きなお腹(腹水)をみれば、“がん”が、彼の意思に反して体を占領していることが一目でわかった。
受診した時には、既にエンドステージの状態だった。
ついこの間までバリバリとサラリーマンをしていた彼が、この短い期間の中でこれだけの体の変化を簡単に受け入