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にゃむ❤️の『看護まがじ〜ん』

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30年以上、自分のスタイルでやりたい看護を自由にのびのびとさせて頂いています。緩和ケアや認知症に関する記事が主になるかなぁと思います。
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#私の仕事

勇気を出せば人生は、変わる!/180度違う人生になったおじぃさんの話

<はじめに>2年半前にこんな記事を書いていた。 ギャンブルの果てに廃人のようになってしまったしげさんの話。 実は、このほぼ寝たきりだったしげさんにはこの後ミラクルな人生が待っていた!! その前にちょっとしげさんのおんぼろぼろぼろアパートのおさらいをしておこうと思う。 <おんぼろぼろぼろアパートの住人しげさん> そのおんぼろぼろぼろアパートは、雑草が鬱蒼とした陽の当たらない住宅街にあった。外もジメジメしているけど、中は、ジメジメ度が増していて、なんとも形容し難い匂いがす

看取り / あなたの言葉をちゃんとご家族に伝えますね

「小さい頃はね・・・可愛すぎてねー、いつも家まで女の子がついてきてたのよ。本当に可愛かったの」と 80歳のご婦人は涙ぐんだ目で仰った。 マスクをしていても目鼻立ちの整ったご婦人だと分かった。 あー、彼はお母さんに似ていたんやなぁと思った。    * その可愛いすぎた小さなマコトさんは、40歳半ばになっていた。 マコトさんと出会ったのは、その1ヶ月くらい前。まだその頃は、ベッドのところに1時間座って話すことができていたけど、食事量は、かなり減っていた。 沢山の辛い治療

本当のことなんて誰もわからない

何の不自由もない暮らしをして おしゃれな家に住む 素敵な家族が まさか 深い悲しみに暮れてることなんて あの窓の光を見ただけじゃ 誰も気付かない… まさか大好きなママが 誰からも愛されてたママが 天使になってしまったなんて… 外から見ただけじゃわからない 本当のことなんて誰もわからない …… ✳︎ …… ✳︎ …… ✳︎ …… 美しい天使になっていったお客様の家 少しまわり道をして通りかかってみた 他の家と同じように幾つかの部屋

コロナ禍での看取りのヒント〜逢えない愛する家族への工夫をシェア〜

【はじめに】2020年1月から日本でもコロナ感染の報道が始まり、はや1年4ヶ月が経った。感染リスク回避の為、病院の中での「面会」や「看取り」の事情も大きく変化している。訪問看護の中でもコロナ禍においてもたくさんの看取りがあった。 看取りの場は、大きくは、「病院」か「施設」か「在宅」に分かれる。介護者のマンパワー不足であれば、ご本人が家で過ごしたいと思ったとしても叶わないこともある。それぞれの家族の事情や環境によって選択が変わってくる。 それに加えて今はコロナ禍。病院や施設で

届け!海の向こうの家族に 〜コロナ禍での看取り 第2弾〜

<はじめに>コロナ禍の看取りの第2弾となる。第1弾の記事はこちら。 前回の記事にも書いたように感染予防という観点で、家族の人生の最期なのに逢えないというケースもよく伺う。当たり前のように諦めなくてはいけないことになりつつある。最期の瞬間を見届けることも辛いことではあるけれど、逢えないことは、もっと辛い。今回は、海外在住のご家族がいるかたのお話をしようと思う。 国内でも中々、家族に逢えない状況の中、海外に住むご家族にとっては、大きな苦しみではないだろうか。 <アキラさんのこ

だれかの「新大陸」を見つける

<はじめに>コロンブスは、1492年10月12日に『新大陸』を発見したのかも知れないけど、負けずに私は、2021年6月1日(昨日ね)に町子さんの『新大陸』を発見した。 2つの共通点は、コロンブスの新大陸も町子さんの新大陸も元々そこに在ったものだったということ。つまり、誰かがそれを発見して認識してくれなきゃ、無いってことになってしまうということ。 <町子さんのこと>町子さんは、70歳代の女性。息子様一家と暮らしている。脳梗塞後の言語障害(構音障害)や誤嚥性肺炎がある。現在、

『部屋とYシャツじゃなくてサルマタと彼』

その彼は、トトロの庭の主人。 彼は、トトロの庭を潜り抜けたところに住んでいると聞いていた。 噂通り、庭は、トトロな感じだった。そこそこ都会の住宅街にこんな空間があるなんて。 季節ごとの果実をつけてた樹々が生い茂っているトトロの庭をくぐり抜けたらメイちゃんたちが住んでいる家があるはず。 ・・・出てくると思わせといてぇ・・・ バーン、出てきたのはモノに溢れたお屋敷だった。勝手に気分を盛り上げといて騙された感あり。 そこには80半ばの彼・・・「とと助」さんとしよう(仮名が雑