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ゴジラ-1.0の漁船改造掃海艇「新生丸」を作るぞ!!(船体編)

ゴジラ-1.0、良かったですね(小林製薬)

ゴジラ-1.0を映画館で浴びて伊福部昭の音楽で脳を破壊され、いてもたってもいられなくなりましたが軍艦や兵器に詳しくないので楽しそうに考察や議論をしたり早速プラモデルで劇中の軍艦や航空機を再現する皆さんを指をくわえて遠巻きに眺めながら、「自分もなにかいっちょかみしたいよ〜」とジタバタしていました。

公式予告編より

鑑賞時から気になっていたのが、主人公の神木隆之介氏が乗り組み、佐々木蔵之介氏にシバかれる「新生丸」です。
漁船を改装した特設掃海艇で、予告編でもゴジラに追いかけられるシーンが印象的です。

そんな新生丸ですが、少し違和感を覚えました。この時代の木造船にしては船型が現代的な気がします。新生丸のシーンの撮影には実物の船を使い海上で撮影した、とPR記事で読んだ気がするので、現役のFRP(繊維強化プラスチック)船を撮影用に木造船っぽく改造したのかもしれません。

そして、FRP漁船なら故郷で小さい頃から見たり乗せてもらったりしてきたので、船体構造の文法はなんとなく知ってるし作れる気がするぞ、と思いました。

今回もそんなガバガバ構想5秒で製作開始でございます。

露天のコンパスデッキで操船をする秋津艇長(佐々木倉之介氏)

佐々木蔵之介氏の身長が公称182cmとのことなので、佐々木蔵之介氏を物差しにして予告編のカットから新生丸のおおよその大きさを割り出したところ、全長15メートル前後、幅3メートル半前後となり、現代の総トン数5トン未満クラスのFRP漁船のポピュラーな大きさとほぼ一致しました(独自研究)(要出典)。ガバガバ計測なので誤差はあるでしょうが、だからなんだという気持ちでやっていきます。

だいたいの大きさがわかったので、あとは予告編のカットを元に原寸大の参考図を作り、マイクロソフト社が誇るCADソフト、パワーポイントで三面図を起こしていきます。横から見た図は新生丸ではなく僚船のカットを参考にしましたが、ほぼ同型だろうからまあいいか…と判断しました。。ポイントとなる点を拾いながら、三面図をでっち上げていきます。可愛いは作れる、三面図は起こせる!

とはいえそこはズブの素人、前回の貨物船製作で船体の曲面を図面に起こすのは非常に困難なことが身にしみて分かっております。


そこでスチレンボードを適当に削ってそれっぽく実寸大の原型を作り、一定間隔で輪切りにして断面形状をトレースするというバカのリバースエンジニアリング工法を取ることといたしました。予告編のカットを参考にしながらスチレンボードを削ってみます。

それっぽく削り出せたら、一定の間隔に輪切りにして断面の形状を紙にトレースします。切り方が雑だったので断面がフニャフニャしており、トレースしながらズレや誤差が蓄積していくのを指先でひしひしと感じます。

トレースによって得られた寸法をもとにプラ板にフレームをケガき、組んでいきます。補強となるプラ棒を適宜かませつつ、正確を期して組み上げたつもりが、のちにミリ単位でずれや歪みがあったことが判明しますが、このときは「ええ感じやん~」と思っていました。

フレームを組んだら外板を貼っていきます。木造船ということで、王道のバルサ材を使ってみようかとも思いましたが、試しに張ってみると思ったより曲面に馴染まないので早々に諦めプラ板を現物合わせで切り出し、ムニムニと揉んだり棒に巻き付けて馴染むようにして瞬間接着剤でムリヤリ張っていく方法を選びました。多少の無理は生じますが、あとでパテを盛って削ればなんとかなるはずです。(追記:なりませんでした)

と、この時点でフレームを作る段階で外板の厚みを考慮するのをすっかり忘れていたことに気付きました。外板に使ったのは0.5mmのプラ板なので、誤差みたいなものだ、と割り切りました。本物の船だったら大問題です。

プラ板を張り終えてパテで表面処理をして、仮に塗装をしたところです。線がガタガタで歪みも出ていますが、劇中の木造船のくたびれた雰囲気が出てると思えば気になりません。気にならないといえば嘘になります。あとは補強のフレームを入れたり、ガンネル(防舷材)をぐるっと取り付けたら船体ができました。

後部は一部が切り欠いてあり、劇中ではここから機雷を揚収したりゴジラに向かってエイヤッしたりしていましたが、底引き網漁船でもこのような構造の船がいるので、ひょっとしたら元底引き網漁船を転用したもので、かつては機銃の位置に漁網のローラーがあったのかもしれません。

長くなりましたが、ここまで船体編でした!

すでに寸法や形状がガバガバですが、次は各種構造物を作っていきます。


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