通園バス置き去り死事件の裁判報道

福岡県の保育園で2023年7月、園児を送迎バスに置き去りにし熱中症で死亡させたとして、業務上過失致死の罪に問われた当時の園長らの公判が福岡地裁であり、検察側は禁錮2年を求刑した。

このニュースは多くのメディアで報道をされ、園側の管理に大きな問題があると指摘された。

筆者も管理のやり方、意識に対して、大きな疑問を感じざるを得ない。

今回の裁判では、亡くなられた園児の両親が「被害者参加制度」を利用して審理に臨み、2024年4月23日の初公判では、父親が元園長に対して、当時の対応や責任の所在などについて、直接、質問した

父親の心情を思えば、当然厳しい質問をすることになるだろう。十分に納得できる。

しかし、この裁判を報道するメディアの扱いをみると、ほとんどは保育園側の管理不行き届きを責める内容だけがほとんどであったかと思う。

最近のマスメディアの報道は、良い人、悪い人をどちらかに分類し、その分類に従って報道する傾向が強すぎないかと気になる。

園児置き去りをしてしまった保育園側に大きな責任があることは間違いない。

保育園の園長は、故意ではなく過失であり、起訴内容を認め、管理不足を認めている。

誰でも園長の立場になる可能性が十分ある。

だがマスメディアには園長をさらし者にして責め立て続ける姿勢が強すぎないだろうか。 

被告と園児の親が話し合いの場を持つことには大いに賛成だ。

しかし、それをマスメディアが公に流すことの影響を、裁判所、マスメディア、さらに法令はもっと考える必要がなかろうか。

いじめの根っこが見える気がしてならない。

被告にも園児の親にも猛烈なSNS攻撃がなされないことを祈りたい。

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