見出し画像

変わらないもの

夏の暑さに一区切りがついたのか、ぐっと過ごしやすくなった。

クーラーや扇風機を夜通しつけてなくても眠ることはできる。寝る前に部屋を冷やしていれば、寝つきも良好、快適な夜を過ごせるのは嬉しい。

秋の気配を感じはじめたとはいえ、日中気温を確かめたら30度を超えていた。

私が幼かった頃、いわるゆ昭和の時代は、30度を超えた日は、暑さが厳しくて大変だと大騒ぎしていたものだったが。

猛暑に体が順応してしまったのか、30度を涼しいと感じてしまう。

「暑い」の感覚というか「暑さ」の定義といったものが、体感的に変化してきたのかもしれない。

体の感覚でさえ、環境に順応して変化していくのだから、生活の中で便宜上作られたもの、例えば「常識」や「普通」というものが時代に対応して変化していくのは当然のことだろう。

変化は世の常。

肉体的、精神的に余裕があり、さまざまな変化を楽しめるうちはいいのだろうが、「変化」についていくのが辛いと感じることがあるのも確か。

そんな感覚を覚えるからか、変わらないものに癒やしを感じる。

稲穂の輝きの美しさ。

風が頬を撫でていくときの感触。

黄昏時に感じる心細さ。

変わらないものがポジティブなものばかりではないとわかってはいるが。

変わっていくものが多い今、変わらないものを愛おしいと感じ、癒される自分がいる。