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オーバースペックは身を助く

「芸は身を助く」とは、何か秀でた一芸を持っていると生計を助ける手立てになりうるという言葉である。

この言葉に倣って思いついたのだ、「オーバースペック(=過剰性能)は身を助く」と。

台風15号の被害は記憶に新しく、まだ近隣の家では毎日のように補修工事が行われている。

我が家は、おかげさまで補修工事らしきものは全て完了したが、たっぷりと保険に入っていたため、「持ち出し」なく工事業者への支払いを済ませることができた。

自動車保険を使用して保険料が上がる分についても、火災保険で支払われた「見舞金」的な性質の支払い額で十分間に合った。

「これほどの保険に入る必要があるのかな」と思うほどのフルカバーの保険であったことが幸いしたのだ。

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一方、停電時においても、「これは贅沢品かな」と普段思っていたものが役に立った。

ひとつは、ビタクラフトの鍋。グレードの高い鍋が、お米を炊くのに大変役に立った。ガスコンロはオートの炊飯機能がついており、それを利用した。このガスコンロも、自分としてはもったいないほどの機能がたくさんと思っていたのだが、非常時には大変心強かった。

家の中、階段や玄関の段差があるところには、オートライトを置いていたのが、それも大変役に立った。

暗い状態で近づくと自分の動いていく方向にあるオートライトが順次灯る方式のものだ。それらは、複数あり、普段は、「気分をあげる」ことが目的の役割を担っていたのだが、これらのオートライトのおかげで停電時とは思えないほど快適に家の中を歩くことを可能にしてくれた。

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普段はちょっと贅沢だなと思っていたものが、非常時の生活を助けてくれた。

つまり、過剰なまでの性能、即ち、オーバースペックが身を助けてくれたのだ。

できるだけ簡素に、できるだけ贅沢はしたくないという性格ではあるが、非常時のことを念頭におきながら、身を助けてくれるようなオーバースペックは生活に取り入れていこう。

災害に遭うということ自体、もう次はないと思いたいけれど、次に備えながら「今」を過ごす。

その姿勢こそが、「身を助く」一番の策なのだ。