「旅」の余白を楽しみにしつつ
イマドキの旅行はスマホさえあればOKという考え方の人もいるだろう。
予め調べることをせず、旅の雑誌も読まず、現地でサクサク調べて動きを決める。現地でも行きあたりバッタリの旅を楽む。
「時間」や「お金」にゆとりがある人はそれでよいのだろう。
だが、通常は「時間」や「お金」に限りがある。
予算内で最大限楽しみ、然るべき時間には帰宅しておかねばならない。アレコレと責任があり、翌日の仕事のことを考えて旅の計画を立てることでしか出かけることができないのだ。
夫の仕事は、「そのあたり」が特に厳しい職種のため、私たち夫婦で出かけるときには細心の注意を払う。
「旅行から帰りの途に就く日」は、翌日の就業開始時刻を念頭に置いて行動を決めておく。例えば、ドライブ旅行ならば帰路のほとんどを私が運転することになる。翌日の仕事に備えて、夫が体力を温存するためだ。
そんな夫婦だから、旅の計画は念入りに行う。
けれども、どこかに「遊び心」を残しておきたくて、旅の計画には「余白」を残しておく。
要めとなるポイントの情報だけはしっかりと確認し、それ以外には隙間をつくっておく。
ただし、余白を楽しむとはいっても、必ず気をつけていることがある。最終目的地を出発するリミット時刻は決めておくことだ。
旅にはある程度の余白は必要だが、抑えどころはキッチリと抑えなければならない。
社会的責任を揺るぎなく全うする。その制限を自由な発想で楽しむ。
その感覚があるからこそ、旅そのものが「私たちらしい風」を纏っていくのだと思うから。