短いしっぽ......ジャパニーズ・ボブテイルの魅力
どんな猫が好き?
そう聞かれたら、
猫は全部好き!
猫が好きだから全部好き!
と答えるだろう。
◇しっぽの長い猫vs.しっぽの短い猫◇
「100点満点で200点くらいは好き」という程度の猫好きでしかない。
世の中には、もっとすごい勢いで猫が好きな人がいるだろう。
だが、それでも私が猫好きなことにはかわりない。
そう、私は猫が好きだ。
とはいえ、もし2匹の猫が目の前にいて、しっぽの長さだけが違っているとしたら、私は迷わずしっぽが長い猫を選ぶだろう。
子どもの頃、親戚のおばさんに、「猫又(ねこまた=猫の妖怪)」の怖い話を繰り返し聞かされ、賢い猫、頭のいい猫、それは即ち、しっぽの長さに現れると信じているからかもしれない。
あるいは、猫の豊かな表現力がしっぽに凝縮されていると思っているからか。
いずれにせよ、しっぽの長い猫のほうが好きなのだ。
◇しっぽの短い猫は◇
だが、あるときから短いしっぽの猫にも惹かれるようになった。チョコンとまぁるい短いしっぽを必死に動かして、何かを伝えようとしている猫を目撃したからだ。
短いしっぽの猫は、ジャパニーズ・ボブテイルと呼ばれている。短いしっぽというのは、日本をルーツに持つ猫なのだという。
かつては、しっぽが長い猫は「猫又」といって化け猫になるといった迷信があったとか。
ちなみに、「猫又」は飼い猫が化け猫になるとか、猫又という妖怪が存在するとか諸説あるようだ。
子どもの頃は、猫又という特別な妖怪になる猫がいると知らされていたので、しっぽが長い猫は「超能力があるスーパーな猫」くらいの感覚だったが、実際の迷信は、そればかりではない。
飼い猫が長生きして化け猫になったら大変だということで、日本ではしっぽが短い猫が好まれていたのだそうだ。
◇距離の取り方がうまくいけば魅力にハマる◇
けれども、しっぽが短い猫は、短いしっぽゆえ、遠くからは気持ちの表現がよく理解できない。
嬉しいのか?
それとも、怒ってるのか?
機嫌がいいのか?
それとも、どこか具合が悪いのか?
猫からの反応が見えにくいため、近寄ってもいいのかどうか判断しかねてしまう。自分の気持ちだけでなく、猫側の気持ちも尊重したいので、どうしたらよいのか判断に迷ってしまうのだ。
「構ったほうがいいのかな???」
そう判断できたときには、そろそろと近寄ってみる。
少しずつ近寄って、じーーーっとその姿を観察すると、短いしっぽが微妙に動いている。
瞳の具合や耳の向きなどと総合的に見てみると、なんとなぁく伝わってくる猫の気持ち。それはそれで魅力的なのだ。
◇もしも私が猫を飼うとしたら◇
猫とのコミュニケーションは多彩だ。
しっぽの長い短いだけでは決められない魅力も多い。
猫との気持ちが、じんわりと伝わってきて、空気がほっこり。しっぽが長い猫に比べると、わかりにくいのは確かなのだが、しっぽが短いなりに猫の気持ちを伝えようとしているのだ。
ジャパニーズ・ボブテイルの魅力に少しずつはまってきて、今では、しっぽが短い猫を見ると、なんだかラッキーな気持ちにさえなる。
その変化を自分でもおもしろいなぁと思う。
とはいえ、自分で飼うとしたら、やはりしっぽの長い猫がいいとは思うのだが......。