謎かけ話に思いをめぐらせ
父は謎かけ言葉のように「謎かけの話」をするところがあった。
一般的に、謎かけ言葉というと、2つの意味を持った言葉を「AとかけてBと解く、その心は……」といった風に、同じ意味でくくって楽しむ言葉遊びのことだが、父が使う謎かけとは、そういうものとはまた別のもの。
父は、ひとつの言葉が何か別の意味を含めていることを示唆しながら「物語のように」思い出話をすることがあったのだ。
表向きの現象だけを話し、言葉に「含み」を持たせつつ、裏の意味を告げずに聞き手の閃きを促すだけ。その閃き