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「自慢」さよなら大学生(11)

「学生新聞やってました!書くの得意です!」
ある新聞社の面接で、絶叫して、祈られた。自信はときに、身を滅ぼす。

「いろいろ努力されてるんですね」
zoomごしに微笑んだ、現場記者。どう思われていたのか…。考えはじめると、恥ずかしさに胸がムズムズしてしまう。

学生の自慢話。
それは、知らない子どもに話しかけられた気持ちに似ている。相手がプロであれば、なおさらだ。「かわいいやつめ」と、思ってほしいけど…。それだけでは、世の中は渡れない。

最近どうも、この件を思い出す。就活を終えて、この連載を始めてからだ。


書けば書くほど、自信をなくしている。
自信をつけるために始めたことが、逆効果になっている。

なにもない、なにもないはずの一日。
布団のなかで考え事をする朝、用事があって電車に乗った昼、帰り道を歩いている夜。あらゆる平凡なタイミングで、ネタを探している。どう展開するか、考えている。そういう日常を、自分で作ってみた。

こだわりが、色々ある。
書き出しは強く。引力を生む。予定調和は許さない。

たくさんの条件を毎日守るのは、堪えるものがある。
できていない日も多い。たった10日で、だ。自信をつけるために始めたものが、むしろ逆結果になっている。

なるほど本業の人は、これを毎日こなしているわけで。
多忙な日々のなかで、足を動かして、考えて、疲れながら原稿に向かう。「ベストコンディション」を待つこともなく、ただ、その日にできることが実力になる。

「思ったよりうまく書けない」とかそういうフェーズは、きっと最初の数日くらいで越えるのだろう。締切があるなら、なおさらそうだ。

「学生新聞やってました!書くの得意です!」
あー、恥ずかしい…。(365日)

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