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セテラ作品の思い出⑨ 『あしたのパスタはアルデンテ』との幸せな出会い

セテラでめったに配給しないイタリア映画、でもたまたま見つけた『あしたのパスタはアルデンテ』は、最高に映画的で素晴らしい現代イタリア映画の秀作です。

この映画との出会いは偶然でした。その頃ドイツに時々住んでいた私はある日可愛くて楽しそうなポスターの映画を見つけて、しかもManner Aldente というドイツ語タイトルが面白そう・・・と思って映画館に入りました。ドイツ語吹き替えで半分くらいしか理解できず、でも良い映画オーラが出ていたのです。そこで再度友人たちを引き連れてもう一度見たところ、友人たちが涙を流して笑い転げていたので、買い付けしようと決めて当時のスタッフ、セテラ・ガールズたちにメールしました。”面白いイタリア映画を買いました。ドイツ語タイトルは≪アルデンテな男たち≫です“

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(画像:ドイツ版・ポスタービジュアル)

そうしたら、社内でタイトルが受けて、爆笑となったそうです。実際に見せたら、コメディだけど、とてもいい家族の話でホロリとする、そして主人公はじめ出演者がみんな美形でイケメン!というのがセテラ・ガールズのモチベーションを上げました! しかもたくさんワンサカ美形の男の子が出るのです・・・パスタ会社を経営するブルジョアのファミリーの次男がゲイである秘密を告白しようと思ったら、兄が先に自分はゲイだと告白し・・・家族は大揺れ、パスタ会社の未来はどうなる・・というお話に個性豊かでキャラがたっている登場人物が出てきます。この映画の配給は最初から最後まで楽しく実に多くの思い出があります。

まず、私はこのドイツタイトルが好きで『アルデンテな男たち』にすると決めて買いましたが、いざリリースを作る段階で、意味がよくわからない、危険だ、とみんなに反対され、二転三転しながら、最終的に『あしたのパスタはアルデンテ』という邦題になりました。

映画の邦題をつけるのは毎回一番の悩みどころで、私はなんだかよく意味が分からないけどインパクトがあるから、≪アルデンテな男たち≫にしたかったのですが、タイトルの意味が不明瞭なのは良くないと、みんなから反対され渋々承諾しましたが、パスタ会社の話なので、”アルデンテ“という言葉は死守しました。結局映画公開後も多くの人に現タイトルをひどいタイトルだと言われ続けました。。。。でもそういう例は今までも何度もあり、どんなタイトルをつけても結局文句を言う人はいるものなので、一度付けたタイトルはとても良いと信じることにしています。ちなみにイタリア語の原題Mine Vagantiは【浮遊地雷】という意味で、このタイトルで公開した国は多分ありませんでした。フランスは【それを最初に言ったほう】(Le premier qui l'a dit)というタイトルで、【アルデンテな男たち】とつけたドイツもフランスもそれぞれヒットしたのでした。

この映画はパスタの話なので、すぐにパスタ会社とのタイアップが決まり、劇場前売り券にパスタをゆでるタイマーを前売り特典としてパスタ会社が500個も提供してくれました。その可愛らしいデザインが大人気で、有難いことに前売り券が飛ぶように売れました! 私も記念に一つ今でもうちにありますが、見た人がみんなほしい~~~!!と言う貴重なパスタタイマーです。

パスタタイマー 写真2

この映画にはまだまだ思い出があるので、次回に続けたいと思います。

山中陽子

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