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規制・過去・性・人生の変化

最近、本当に規制を受けることが多いです。こんな時は怒りのマインドになるのではなくて、自分がどうしてこうなったのか整理する為に、そしてどうしてオタクになったか、こんなオタクになってしまったのか書いて頭を整理しようと思います。

家族いわく、私は幼い頃から様子が変だったみたいです。
やんちゃとか乱暴とかそういうのは全くなく、静かで大人の言うことは聞くタイプで…ただ4歳くらいでキュビスム絵画の図鑑や絵画全般に興味を示してめっちゃ見てたようです。キュビスムといえば伝わると思いますが、幼少の頃はとくにピカソに反応してたらしいです。知ってる家族親戚に誰も芸術関連の人がいないため、家族はこういうタイプの子どもを珍しく思ったみたいです。

私はなんとなく絵を見るのが好きで、描くのも好きでした。好きという気持ちだけで、ある日本の高校の美術科に進学しました。
この選択は自分の人生が狂った原因だと思います。

まず、高校に入学して私は「友達になってくれる人がいるならどんな人とでもなりたい」と思っていました。(美術科にいたら似た思考の人が多いだろうという意味で)

しかし、心からわかりあえる友達は殆ど出来ませんでした。よくわからない流行ネタや内輪ネタに意味を感じず、適当にかわす日々。同級たちとコミュニケーションをしてもストレスを感じる毎日でした。普通科の同級たち(男女関係なく)は、もの珍しさにからかってくるしで、人生で2番目に最悪なストレスを感じていた時期でした。

唯一出来た仲の良い友と呼べるのは、高1の時に某駅で新手のテロリストと勘違いされ取り調べを受けた同科の同級生でした。

彼女は性格が優しいけど、行動や思考がすごくクレイジーでした。美術について見識を広げる同級として、時にはお互い切磋琢磨する友として色んな活動をしました。

銀座のお寿司屋さんに、とある展示アシスタントのお礼か何かで招待された時。絵の具がついた汚い制服(何度洗っても落ちない)で銀座の街を一緒に歩いて恥をかいたのも、美術部の遠征合宿で夜に宿を抜け出して、どこまで想像で人間の裸体を描けるか?というテーマで絵を描きあったのも、今では良い思い出です。

そして、このクレイジーな友とバイトでお金をためて、冬のコミケに3日間一般参加したのを覚えています。

私は高校に入学するまで、ずっと能天気な世間知らずでした。漫画に出てくる下ネタも今思うと深くわかっていませんでした。ただ、「表で口にするのはよくない何か」くらいの認識でした。

高校の授業で現代アートを知り始めた頃、性的な制作物を見てようやく「性とは何か」と深く考えはじめたのです。

そんな世間知らずの人間が、初めてコミケに行った時。まだ規制の緩かった時代です。周りのポスターが肌色だらけで、女性の卑猥なポーズ裸体で埋め尽くされていて、ニッチな性癖の本が堂々と並べられていて………正直、見たこともない空間に泡を吹いて倒れるかと思いました。ポール・デルヴォーの絵画と違う世界が広がっていました。グスタフ・クリムトのような金箔で美しくしたような裸体の絵ではなく、みたことのない、私にとって新しい表現の数々に卒倒しそうになったのです。

その日からでした。
私は、エロとは何か?性的制作物とは何か?そればかり考えてしまうようになったのは。そして、そういう絵を思い出して、コミケのカタログを取り出し参考にしながら、夜な夜な絵を描くようになっていったのは。
(昔はコミケカタログのサークルカットはエロくても無問題、全年齢購入可能でした)

高校の保健体育の先生が性教育の授業で「性欲の発散をする為に、性的な絵を描く人がいます。これを昇華といいます。かなり健全な行動ですが、まあこんな人はまず居ないでしょう」と言いました。
クレイジーな友と私は、放課後「私達みたいな人って、もしかして…殆どいないの?」という話題になり、少し悲しい気持ちになったのを覚えています。

10代の殆どを芸術に捧げ、私は性的制作物へ年々探究心が深まり、作品において性癖がねじ曲がってしまいました。
でも、変な性癖をしていても、ただ描いて現実では誰にも迷惑をかけずひたすら作品をつくり昇華してるだけなのです。
だから、なぜ規制をうけなければならないのか、この疑問ばかりが頭に浮かびます。

世の中は私をおかしい人間と認定するかもしれませんが、なんでも取り締まりたがる世の中も変なんです。

冒頭の話題に戻るんですが、やっぱりどう考えても現在の表現規制に耐えられません。やめてください、ゾーニングは遵守しているので本当にお願いします。

やっぱり考えれば考えるほど怒りマインドに変わってしまいます。桃源郷など、この世界を探してもどこにもない。

*サムネイル画像は試験対策の自作水粘土模刻です。画質が時代を物語っています

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