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新NISAの積立投資額はどのくらい?平均と理想

こんにちは。今日は新NISAの積立投資について詳しく解説していきます。2024年から始まった新NISAは、多くの人にとって関心の高いトピックです。特に、毎月どのくらいの金額を積み立てるべきかという疑問は、投資を始めたばかりの方や、すでに投資を行っている方にとっても大きな関心事だと思います。
まず、新NISAの概要から説明しましょう。新NISAは、2024年1月からスタートした新しい少額投資非課税制度です。以前のNISAと比べて、非課税期間が無期限になり、積立可能額も増加しました。この制度の導入により、多くの人が投資を始めるきっかけとなっています。実際、2024年1月から3月にかけて、新NISA口座の開設件数は約170万件に達し、前年と比較すると約3.2倍になったそうです。これは、多くの人々が将来の資産形成に対する関心を高めていることの表れと言えるでしょう。

どのくらい積み立てているのか

では、実際に人々はどのくらいの金額を積み立てているのでしょうか。2024年4月時点でのデータによると、全体の平均積立額は月5万8,628円となっています。この数字を見て、「思ったより多いな」と感じる人もいれば、「意外と少ないな」と思う人もいるかもしれません。しかし、この平均値だけでは、実際の状況を正確に把握することは難しいのです。
そこで、年代別の平均積立額を見てみましょう。20代の平均積立額は4万2,391円、30代は5万62円、40代は6万1,606円、50代は5万1,969円、60代は6万4,630円、そして70歳以上は5万3,182円となっています。これらの数字を見ると、年代によって積立額に差があることがわかります。
特に注目すべきは、20代でも4万円以上を積み立てている点です。若い世代から資産形成に対する意識が高まっていることがうかがえます。一方で、60代の積立額が最も高くなっているのは、退職後の生活に備えて積極的に投資を行っている人が多いためかもしれません。
しかし、ここで注意が必要です。これらの数字はあくまで平均値であり、実際の状況を正確に反映していない可能性があります。なぜなら、平均値は極端に大きな数値や小さな数値に影響されやすいからです。
平均値と中央値の違いについて少し説明しましょう。平均値は、データの合計をデータの個数で割った数値です。しかし、この方法では、極端に大きな数値が含まれていると、実際の状況から離れた結果になってしまう可能性があります。例えば、10人の積立額を調べた場合、9人が毎月1万円を積み立てていて、1人だけが毎月30万円を積み立てていたとします。この場合、平均値は3.9万円となりますが、実際には10人中9人は1万円しか積み立てていないのです。
そこで、中央値を見ることが重要になります。中央値は、データを順に並べた時に中央に来る数値です。先ほどの例では、中央値は1万円となります。これにより、より実態に近い数字を把握することができます。
実際に約5,000人にアンケートを取った結果、次のような分布になりました。月1,000円から1万円の積立を行っている人が全体の9%、月1万円から3万円が20%、月3万円から5万円が30%、そして月5万円以上が41%となりました。この結果から、中央値は大体4万円くらいになると推測されます。これは先ほどの平均値よりも実態をよく表していると言えるでしょう。この調査結果から、多くの人が月に3万円から5万円程度の積立を行っていることがわかります。

小額投資に意味はあるのか

ここで多くの人が疑問に思うのは、「小額投資では意味がないのではないか」ということです。3万円ならまだしも、1,000円や5,000円といった小さな金額を積み立てても、将来的に大きな資産になるのかと不安に思う人も多いでしょう。しかし、結論から言えば、小額投資でも続ける意味は十分にあります。
その理由を理解するために、具体的な例を見てみましょう。月5,000円の積立てを30年続けた場合をシミュレーションしてみます。年利を5%と仮定します。単純計算すると、30年後までに積み立てる金額の合計は180万円になります。しかし、ここで重要なのは複利の効果です。複利により、30年後には利益だけで236万円になり、元本と合わせると416万円にもなるのです。
これは決して小さな金額ではありません。月々5,000円という、多くの人にとって無理なく続けられる金額でも、30年後には400万円を超える資産になるのです。これこそが、長期投資の力と複利の魔法と呼ばれるものです。
複利について、もう少し詳しく説明しましょう。複利とは、利子に対してさらに利子がつくことを指します。例えば、10万円を年利5%で運用する場合、1年目の利子は5,000円です。しかし、2年目は10万5,000円に対して5%の利子がつくため、利子は5,250円になります。3年目はさらに増え、4年目、5年目と時間が経つにつれて、利子の金額はどんどん大きくなっていきます。
この複利の力がどれほど大きいかを簡単に計算するには、「72の法則」が役立ちます。これは、72を利回りで割ると、資産が2倍になる年数がわかるというものです。例えば、年利5%の場合、72÷5=14.4年で資産が倍になる計算になります。つまり、年利5%の投資を続けると、約15年で資産が2倍になるのです。
この「72の法則」を使うと、自分の投資がどのくらいのペースで成長するかを簡単に推測することができます。例えば、年利3%の場合は72÷3=24年で資産が倍になります。年利7%なら72÷7=約10年で倍になります。この法則を覚えておくと、自分の投資の成長ペースを大まかに把握することができ、長期的な目標設定に役立ちます。
ここで重要なのは、積立額よりも積立期間の長さだということです。小額でも長期間続けることで、大きなリターンを得ることができるのです。これは、時間を味方につけた投資戦略と言えるでしょう。
若いうちから投資を始めることの重要性はここにあります。例えば、20歳から投資を始めた場合と40歳から始めた場合では、同じ金額を積み立てても、最終的な資産額に大きな差が出ます。これは、複利の効果が長期間にわたって働くためです。
しかし、ここで注意が必要です。「若いうちから始めなければ意味がない」というわけではありません。40代や50代から始めても、十分に効果はあります。大切なのは、今すぐに始めることです。なぜなら、投資を始めるのに「遅すぎる」ということはないからです。

どのくらい積み立てるべきか

では、毎月どのくらいの金額を積み立てるべきでしょうか。これには個人の経済状況やライフスタイルが大きく関わってきます。しかし、一般的な目安として、次のような考え方があります。
まず、投資よりも優先すべきは生活防衛費の確保です。生活防衛費とは、自分の生活を守るためのお金のことです。会社の倒産や病気などの不測の事態に備えて、生活費の半年分から2年分は確保しておくべきです。例えば、月の生活費が20万円の場合、最低でも120万円から480万円の貯金が必要となります。半年分なのか2年分なのかについては、それぞれのリスク許容度や収入の安定性、家庭の状況などから判断しましょう。
この生活防衛費を確保することで、万が一の事態に備えることができます。失業や長期の病気など、収入が途絶えてしまうような状況に陥っても、一定期間は生活を維持することができます。これは、投資を行う上での安全網となります。
次に、余裕があれば、3年から5年分の将来資金も手元に残しておくと安心です。車や家電製品の買い替え、子供の養育費など、将来的にお金がかかる場面に備えるためです。例えば、子供の教育費や結婚資金、住宅の頭金などが考えられます。これらの出費は数百万円単位になることも多いため、計画的に資金を準備しておくことが重要です。
これらの資金を確保した上で、余剰資金を投資に回すことができます。無理なく続けるためには、手取りの5%から10%くらいが目安となります。例えば、毎月の手取りが25万円なら、1万2,500円から2万5,000円くらいが適切な積立額と言えるでしょう。
ただし、これはあくまで目安です。生活に余裕があれば、積立額を増やすこともできます。逆に、生活が苦しい場合は、少額からでも始めることが大切です。重要なのは、無理なく長期間続けられる金額を設定することです。

積立額は変更しないこと

ここで注意したいのが、株価の動向によって積立額を変更することは避けた方が良いということです。最近は株価が上昇しているため、多く買えばリターンも増えるのではないかと考えるかもしれません。しかし、株価の上昇がいつまで続くかは誰にもわかりません。株価が高いときに多く買い、低いときに少なく買うというのは、結果的に高値掴みになってしまう可能性が高いのです。
積立投資のメリットは、相場の動きを気にしなくて良いことです。毎月一定額を積み立てることで、株価の変動に関わらず自動的に購入量が調整されます。これにより、平均購入単価を抑えることができるのです。これは「ドルコスト平均法」と呼ばれる方法です。
ドルコスト平均法の利点は、市場のタイミングを図る必要がないことです。株価が高いときは少ない数量を購入し、株価が低いときは多くの数量を購入することになります。結果として、長期的には平均的な価格で投資することができるのです。
相場の動きを気にし始めると、株の値動きから目が離せなくなってしまいます。それは精神的にも負担が大きく、長期的な投資戦略を維持することが難しくなります。また、感情的な判断により、高値で買い、安値で売るという最悪のシナリオに陥る可能性もあります。
したがって、積立金額を決めたら、あまり頻繁に変更せず、そのまま続けることをおすすめします。投資していることを忘れるくらいがちょうど良いという意見もあります。自分の収入とライフスタイルから投資可能金額を計算し、適切な積立金額を決めたら、あとはほったらかしにしておくのが良いでしょう。
ただし、完全に忘れてしまうのではなく、定期的に投資状況を確認することは大切です。その際に、自分の人生設計や経済状況に変化があれば、それに応じて積立額を調整することは問題ありません。

積立投資枠と成長投資枠の違いについて

新NISAの投資上限額は1,800万円ですが、これは積立投資枠だけで使い切ることができます。月10万円までの投資なら、積立投資枠だけで十分です。成長投資枠を使うのは、10万円以上投資する場合や、相場を見てのスポット投資、個別株式を購入したい場合などです。まずは積立投資枠を優先して使うことを覚えておきましょう。
積立投資枠と成長投資枠の違いについて、もう少し詳しく説明しましょう。積立投資枠は、毎月定額で投資を行う際に使用する枠です。一方、成長投資枠は、まとまった金額を一度に投資する際に使用する枠です。積立投資枠は、長期的な資産形成に適しており、市場の変動を平準化する効果があります。成長投資枠は、より積極的な投資を行いたい人や、特定の銘柄に投資したい人向けです。
投資を始める際は、まず積立投資枠から始めることをおすすめします。なぜなら、積立投資は市場のタイミングを気にする必要がなく、長期的に安定した資産形成が期待できるからです。特に投資初心者の方にとっては、積立投資から始めることで、投資に慣れていくことができます。

まとめ

さて、ここまで新NISAの積立投資について詳しく解説してきましたが、最後に今回の内容をまとめておきましょう。
新NISAの平均積立額は月5万8,628円、中央値は4万円程度です。この数字は、多くの人々が資産形成に対して積極的な姿勢を持っていることを示しています。しかし、これはあくまで平均的な数字であり、個人の状況に応じて適切な積立額を決定することが重要です。
小額投資でも長期間続けることで大きなリターンが得られます。例えば、月5,000円の積立投資でも、30年続けることで400万円を超える資産になる可能性があります。これは複利の力によるものです。年利5%なら約15年で資産を倍にすることができるという「72の法則」を覧えておくと、投資の成長ペースを大まかに把握することができます。
生活が破綻しない程度の投資を長期間続けることが重要です。そのためには、まず生活防衛費を確保し、将来の大きな出費に備えた資金を準備した上で、余剰資金を投資に回すことが望ましいです。積立額の目安としては、手取りの5%から10%程度が適切とされていますが、個人の状況に応じて調整してください。
株価の動向によって積立額を頻繁に変更することは避けましょう。積立投資の利点は、市場のタイミングを気にする必要がないことです。ドルコスト平均法により、長期的には平均的な価格で投資することができます。
投資を始める前に、生活防衛費や将来資金の確保を優先してください。これらの資金を確保することで、安心して投資を続けることができます。
新NISAの投資上限額は1,800万円で、これは積立投資枠だけで使い切ることができます。まずは積立投資枠を優先して使い、慣れてきたら成長投資枠の活用を検討するのが良いでしょう。
投資は長期的な視点で行うことが重要です。短期的な市場の変動に一喜一憂せず、自分のペースで着実に積み立てを続けることが、将来の安定した資産形成につながります。
また、投資を始める前に、自分の経済状況やリスク許容度をよく考えることも大切です。投資にはリスクが伴うため、自分にとって適切な投資方法を選ぶ必要があります。例えば、リスク許容度が低い場合は、安全性の高い投資商品を中心に選ぶことが望ましいでしょう。一方、ある程度のリスクを取れる場合は、より高いリターンを狙える商品も検討できます。
さらに、分散投資の重要性も忘れてはいけません。一つの商品や一つの市場に集中して投資するのではなく、複数の商品や市場に分散して投資することで、リスクを軽減することができます。例えば、国内株式だけでなく、海外株式や債券にも投資することで、一つの市場の変動の影響を緩和することができます。
定期的に自分の投資方針を見直すことも重要です。人生の節目や経済状況の変化に応じて、投資方針を調整する必要があるかもしれません。例えば、結婚や出産、転職などのライフイベントがあれば、それに合わせて投資計画を見直すことが大切です。
新NISAを活用した積立投資は、多くの人にとって将来の資産形成の強力なツールとなります。ただし、それぞれの状況に合わせて、無理のない範囲で始めることが成功の鍵です。投資は長期的な取り組みであり、急いで大きなリターンを得ようとするのではなく、着実に資産を育てていく姿勢が大切です。
また、投資と並行して、自己投資も忘れないでください。スキルアップや資格取得など、自分自身に投資することも、長期的には大きな見返りをもたらす可能性があります。高い収入を得られるスキルを身につけることで、投資に回せる資金を増やすこともできるでしょう。
最後に、投資は手段であって目的ではないということを覚えておきましょう。投資の目的は、より豊かで安定した生活を送ることです。そのため、投資に没頭するあまり、現在の生活の質を落としてしまうようなことは避けるべきです。バランスの取れた生活を送りながら、将来に向けて着実に資産を形成していくことが理想的です。

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