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大AI時代:イラストレータは自身のイラストのライセンス販売をしてみては?

「AIが人間の仕事を奪うなんざまだまだ先!!」
そんなことが言われつつも、Twitterではたまに「AIが絵師の作品真似るなんてけしからん!!」という話が賑わいます。
これは職人(イラストレータ個人)崇拝者にとってみればけしからんのですけども、私のようなテクノロジーシンパに取ってみれば、これは偉大な進歩なんですね。
まぁ私はテクノロジーが人間に牙を剥くことになったとしても、それはそれで面白そうなので歓迎するのですが、少なくとも今のAIは単一スキルに特化すると、その能力は極めて優秀です。人間などという生き物を容易く凌駕していきます。
そして、こうした産業の転換点では、従来の職人志向から脱却できない人は新しいテクノロジーによって、淘汰されていくのです。

🤖しかしAIを活用できるイラストレーターにはチャンスも来る

しかし、AIを前に、本当にイラストレーターはただ真似されることに指をくわえて見るしかないのでしょうか。
裁判で争うことも考えられそうですが、しかし労力と金が掛かります。
それ故に裁判で争うことはあまりしたくないということもあるかも知れません。

一方、私がイラストレーターだった場合、AIに自分の絵を真似させます。
その絵を使ってAIが書いたものをライセンス販売するでしょう。
新しいテクノロジーが出てきた時は、新しいテクノロジーを使ってビジネスをする方が得だからです。

🎨本当に自分の絵の価値がわかる人に原画を高値で売れば良い

「絵には魂が籠ってるんだ、職人の手で丹精込めたものをリリースしなきゃダメだ!」
少なくともTwitterではそういう考え方が主流です。
しかし、私はそうは思いません。
今やパンはパン職人が作るより、山崎製パンやパスコが工場で大量生産し、松屋や吉野家の牛丼は工場で大量生産しています。

なんなら国防で使われるF2戦闘機なんかは三菱重工が作ってはいますが、これはアメリカから製造をするためのライセンスを買っています。
スマホなどのCPU分野ではArmが「CPUを作る権利を売る」という方式を取っています。要は「真似する権利を売っている」のです。
こうした背景を見て行けば、AIイラストもまた、AIを使って自分の作品を書かせる権利(真似する権利)を売る、または自分の作品をAIに学習させて、薄利多売をする、という2つのビジネスモデルを考えることができます。

ラーメンハゲこと芹沢達也

これは「自分の理想とした真に美味しいラーメンの価値がわかる客は10人に1人か2人しかいない」ということを示していますが、現実としてラーメン以外の世界もそうです。
ITシステムとてそのアプリの良さを分かる人はそんなにいませんし(業務系システムなんて現業の人は現行のシステムから変えるのは大変嫌がるし)恐らく絵の世界でもAIが描いた絵と職人の丹精込めた絵とで、その違いを見分けられる人は10人に1人、2人の世界かなと思います。
その1人、2人の為に自ら腕を奮って高い金額で手作業で描き、自分の絵を学習させたAIに書かせた絵を薄利多売でやるって言うのもアリは気がしますけどね。

📱新しいテクノロジーを活用できるか否かが明暗を決める

尤も、ここまで話してきた内容には、AIの製作側の規約も絡んでくるはずなので、イザ実行しようとなったら下調べは必要でしょうね。
やはり理想としては「そんなAIなんか使ってPixivの絵を真似んでくれよ」と言うのが理想なのですが、現実としてはTwitterで騒がれる通りの有様です。

私は日本史の人物で尊敬する人物の1人に大塩平八郎がおりますが、大塩は「人の内なる善」を信じておりました。ところが私は「人の内なる善」というのもを信じていないんですね。
どちらかと言えば私が信じるのは「人は生まれつきの心は悪である」という価値観です。善性と言うのは後天的な教育で身に付くものと考えます。

VTuberにしてもそうなんですが、今やカスタムキャストで手軽にキャラを作成できるようになりました。
こうして新技術を使って手軽にキャラメイクできるようになってしまうと、なかなか個人のイラストレーターに依頼が来辛くなるわけです。
現実問題として、イラストレーターはTwitterではフォロワーが多い傾向がありますが、しかしそのフォロワーの中で、お金を出して依頼を出すフォロワーは、ほんの一握りでしょうね。
恐らく万単位のフォロワーがいても、その中で実際にお金を出して依頼出すのは1000分の1程度かと思います(もっと少ないかも・・・)
まぁ発注する側も「発注の仕方わからへん」ってのが現実だったりします。

いつの時代もそうですが、新しい技術が出た時は、その技術を使いこなせるか否かが明暗を左右します。
種子島銃の活用方法を思い付いた織田信長は、武田勝頼を打ち破ることができました。
坂本龍馬は剣術の達人でありながら、寺田屋事件では容赦なくピストルで捕り方を射殺しております。
馬車は鉄道や自動車に取って変わられ、飛行機の登場によって戦争の勝敗を左右するのは戦車や戦艦から、戦闘機や爆撃機に変化していったわけです。

とは言え、じゃあ戦闘機や爆撃機だけで戦争できるようになったかと言えば今も歩兵はいますし、白兵戦だってあります。
移動手段としての馬車はなくなっても、乗馬や競馬で馬は使われているので部分的にオールドテクノロジーも残っていくわけですね。

既にAI時代に突入した今、どんな仕事でもAIを活用できるかどうかが今後の明暗を分けることになるでしょう。だからDXと言うとAIが頻繁に話題に挙がるのです。
一方、部分部分ではオールドテクノロジーで戦う領域があるので、AIを活用したライセンスビジネス(フロントエンド的商材)と、自分自身のスキルで直接制作するビジネス(バックエンド的商材)の2つの切り分けを出来るか否かが1つの鍵となるでしょう。

残念ながらイラストレーターの世界でもAI活用できるか否かが試されている局面とも言えそうなのが現状であり、それは他の分野にも波及するでしょう。

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