👘舞妓文化は黙ってても遠くない将来消滅すると思う件👘

今日はちょっと京都人に怒られそうなネタを扱うんですが、Ｔｗｉｔｔｅｒで舞妓さんだった人の舞妓産業に対する怒りのツイートが拡散されておりました。
「京都政府に消されるかも知れない」と前置きされてましたが、財政難の京都市にはそれだけの力は無いとは言っておくとして、共産党の池内氏が「勇気ある告発です！」的な感じで便乗してました。
まぁあの人、神奈川の人なんですけど、在日韓国人に対する差別なんかは善戦に立って奮闘してましたからね。共産党のそういうところは評価してたりはしますが、ただ個人的に、個人的に言うと、舞妓文化は何もしなくても崩壊すると思います。

🍷キャバクラに客を取られる時代

「舞妓文化が何もしなくても消滅する」って言うのは、井上章一先生の「京都ぎらい」を読んでいただければわかると思います。
「千年の古都のいやらしさ、ぜんぶ書く」
単純な読み物としても大変面白く、文章だけでここまで人を笑わせることが出来るのかと関心します。

京都ぎらい (朝日新書)

この本の中に舞妓に関する記述もあるのですが、もともと舞妓の店の主流なお客層の一つが坊主だったようです。
京都の坊さんは金持ってるのが少なくないわけですね。
ところが平成に入ってからと言うもの、坊主が酒を飲む場所が舞妓の店からキャバクラにシフトしたんですって。
なんでも舞妓のお店の堅苦しい（？）雰囲気より気軽さのあるキャバクラにシフトしていったということですね。

👘京都市民は花街で遊ばない

舞妓産業で痛い目みた人についた引用リプライとして「俺は京都で生まれ育ったのにこんな惨状しらなかった・・・」と言った、申し訳なさそうな引用リプライがついていましたが、恐らく「京都人だからこそ知らなかった」とも言えましょう。
これはここ２年間、まん防や緊急事態宣言期間中の京都を歩いた人なら恐らくわかります。
私は関東にいた頃も、最初の緊急事態宣言期間中を除き、ほぼ京都へ金を使いに来ております。
そこで目にしたのは「四条大橋を境に人流が変わる」と言うことです。

四条大橋の西側、即ち河原町は賑わいがある反面、東側、つまり祇園商店街はゴーストタウン化してしまったのです。
要は京都市民は花街で遊んでいないのです。
京都市には花街が５つあると言いますが、先斗町（ぽんとちょう）などは規模が小さく、大半の店が「普通の呑み屋」です。正直、舞妓さんがいるかわかりません。３年前はいたとしても、ここ２年で廃業したお店があっても不思議ではないですね。

女遊びをしないので、舞妓のお店の料金観がわからないのですが、キャバクラ以上、六本木の高級クラブ以下の金額かなと思っています。
また、京都は千年の都の大都市ではありますが、東京や横浜、神戸のような「お金持ち自慢」をするような気風は殆どありません。
ある意味、他府県民（私のような埼玉から入洛した落ち武者含めて）から見ると「お高く留まっている」ように見えつつ「必要以上に飾らない」二面性を持っているため、わざわざ舞妓さんのいるような高い店で遊ばないというところでしょうか。
じゃあ京都市民はどこで遊んでるのかって言ったら、錦市場であるとか、ともすればイオンモールＫＹＯＴＯかもしれないわけです。祇園で遊んでる京都市民は殆どいないでしょう。

📺舞妓さんになるのも(多分)ほぼ他府県民

舞妓産業がパワハラ気質なのは、割と昔にテレビでも放送されていたことがあります。その時代に私はスマホなんてものは持ってなかったわけですが、まぁ乱暴な物言いをすると「修学旅行のイメージしか無い状態の少女」しか舞妓産業に憧れないんじゃないかなと思います。

即ち「京都の綺麗な面だけを見て舞妓さんを目指してしまった」ということです。
と言っても舞妓さんの年齢って丁度高校生くらいの年齢じゃないですか。
京都市は大学の多い市です。京都の一般家庭がどんなかはわかりませんが、京都人は自分の娘を舞妓にしたがらないと思います。あくまで想像です。

寧ろ大学が多い都市柄もあり、舞妓になるより大学生になることを目指して欲しい親の方が多いでしょう。
で、私なんかは京都によく通っていたから京都の良い悪いをある程度分かっているつもりですが、母なんか最後に入洛したの修学旅行（４０年以上前）ですからね。
当然「キレイな京都」しか知らないです。るるぶ、じゃらんのガイド誌ベースの京都だけ。実際の京都は同志社やノートルダム女子大、進々堂と言った組織に見られるように、結構キリスト教文化の影響を強く受けてますけど。

ある意味、舞妓さんを目指す女性は年頃で世間知らずな「キレイな京都しかしらない」子たちとも言え、よって舞妓さんを目指すのも、ほぼ他府県民と言っても良いのではないかと思います。その家系の出でなければね。

🛬安倍政権が舞妓産業を延命させた

私は安倍政権に批判的な態度ですが、ここでは敢えて安倍批判はしません。
安倍政権は中国包囲網などと言って中国や韓国を敵視しつつ、一方で円安誘導とインバウンド政策を実行しました。
アクセルとブレーキをいっぺんに踏み続けたとも言える政策がところどころ見られる政権なのですが、この政権時は京都観光が大変盛んになった時期でもあります。

円安になったと言うのはどういうことかと言うと、海外からの旅行者にとって「日本が安い！」って言うことです。
その上で安倍政権は「来いや来いや、日本にドンドン来いやー！」って感じで外国人観光客を入れることに熱心だったので、祇園や嵐山などは外国人観光客でごった返すこととなりました。

さて、先も言いました通り、京都市民は花街で遊んでません。また、価格から考えて、舞妓さんの店で酒を飲める裕福な人は今の日本、あまり多くは無いでしょう。そういう意味で舞妓産業は衰退産業なのです。
ただし、円安が進んでインバウンドも盛んな中では、外国人にとっては「思い出作りの芸者ガール」は「そんなに高くない買い物だった」と言えるでしょう。
そういう意味で、安倍政権は間接的に舞妓産業を延命させてきた政権と言えます。

🏮そして舞妓さんはいなくなった…

しかし、この２年で大流行したウイルスは、あっという間に京都の光景を変えてしまいました。
少しずつ観光客は戻ってきたとは言え、今や祇園を歩いても舞妓さんを見ることはありません。たった３年前までは「道で舞妓さんを見ても撮らんといて！」と言っていたのが嘘のようです。
や、尤も私は３年前までは祇園や嵐山は散策してないのですが、京都に住んだ今ですら、祇園で舞妓さんを見たことは無いです。

祇園で舞妓さんを見ないくらいなんで、先斗町は規模が小さすぎる上に河原町からも近すぎるんで、まぁ堂々と営業してるお店は見ないですね（本当に店があるんだろうか…）。

まぁかのツイートをした人も、花街に対する恨みって、きっと一生消えないと思います。
今も京都市民なのか、もう京都が嫌いになってしまったのかはわかりませんが、正直なところ花街は再びインバウンドが起きない限り衰退の一途を辿るだけだと思います。
なんならキャバクラすら衰退産業ですからね、今って。
まぁかつて遊郭街だった中書島（伏見区）も歴史的な景観自体は残ってますし、流石に祇園の舞妓産業が消滅するのは多少時間掛かると思いますが、まぁ京都市民がホント祇園で遊びませんので、今の情勢が続けば舞妓文化は存続の危機ですね。
それが良いか悪いかは私にはわかりません。だって私も花街で遊ばないからね（苦笑）