📊Kintoneでnp管理図を作ろうとして結局詰まった話・・・

2024年11月16日 11:45

Excelと言うのはとても便利な反面、時としてモンスター化することがあります。
昔はＶＢＡマクラーレンが重宝されていましたが、ある日突然エラーを起こしたらプログラムはどう修正するのか、プログラムを書いた人間が不在になったら誰が管理するのか。
そんな属人性に気付くと不安になったものです。

昨今はマクロウイルスもあることですし、ＶＢＡは全面禁止になっていくことが望ましいのですが、そうなるのはもっと先のことになるでしょう。
そこでKintoneを研究し、改善に役立つか検証することとしました。

📈今回の試行:np管理図を作成する

今回の思案はnp管理図を作成することです。
np管理図とは不適合品の数によって工程の異常を判別するものです。
p管理図と並んで二項分布に従う計数値に基く管理図になっています。
p管理図とnp管理図の違いは、サンプルサイズが一定か否かであることです。
p管理図は不適合品率で判断し、np管理図は不適合品数で判断します。

ではKintoneでnp管理図を作成してみましょう。
サンプルとして、下記のサイトの問題を使います。

🆖KintoneではSQRTが使えないため平方根で苦戦

np管理図の作成で最初に苦戦することになったのがコレです。
管理図に限ったことではないのですが、統計学の公式は全般的に平方根が入っているんですね。
実験計画法にしろ検定や推定にしろ、その殆どの計算で平方根が出るんです。
で、平方根をアッサリ求めるのに活躍する関数がSQRTですが…。

Kintoneでは使えないんです‼️🤢

も、参っちゃいましたね。
で、コレの解決方法はどうするのかって言ったら、ニュートン法を使うんです。
言うて私もニュートン法がなんなのか、よう分かりません。
なのでQiitaにてカンニングを致しました。

これを踏まえてアプリを作っていきます。

かなり見辛いと思いますが、これがKintoneのアプリ作成画面です。
左から右にドロップダウンでボックスを移動させていくのですが、ここで使うのは数値と計算、日付です。
そしてnp管理図を作るのに必要なのは中心線と、管理限界線です。

管理限界線にはUCLとLCLの2つがあり、CLは中心線(Center Line)です。
計数値の管理図はLCLがマイナスになることがあり、その場合は考慮しません。

CL(中心線)は不良品合計数÷検査数(Σn)で不適合品率(p)を求めます。
そして各検査個数(n)に不適合品率(p)をかけることでnp=CLがわかります。
~~しゅがーはーと~~シューハート管理図は３シグマ法ですから、ここで上に出てくる公式を使うわけです。

佐藤心(26)こと｢しゅがーはーと｣⇨管理図の産みの親はウォルター•A•シューハート博士

ちなみにアプリ作成の入力画面項目を「検査数合計」とすべきところを「生産数合計」としてしまいました。
全数検査してることにすれば問題ないね（キリッ！）

スプレッドシートと比べると、1個1個の計算を着実にやたせた方がいいです。
np-(1-p)を出して、その上でニュートン法で平方根(の近似値)を出す。
それに3を乗じた3σを出してnpに±することでUCLとLCLがわかります。
ここまでの第一段階はなんとかできました。

📉グラフ化で詰まる(未解決事件)

で、ここからは未解決事件です。
グラフが理想の型にできなかったんですね。
まずはnumbersで作成した｢Kintoneで作りたかったグラフ｣を出します。

小数点の区切り位置の関係でCLが異なっていますが、概ね大差はありません。
また、上の管理図の場合、統計的管理状態とは言えませんで、まぁ普通に製造業やってて上のグラフみたいなのが出てきたらヤバいんとちゃいますかね。
まず管理限界を２回も突破している上に、図中Ａの部分は９回連続でＣＬの下に打点がされている【連】の状態にあります。
この状態のまま放置したら間違いなく品質が疑われますね。

ただまぁ見てお分かりの通り、管理図は折れ線グラフ化することに大きな意味があります。
なのでKintoneでも｢1画面中でグラフが見れる｣ことが理想なんですよ。

これがねー、んー、わからないんですよねぇ・・・。
グラフにするにしてもKintoneのグラフは｢レコード｣という概念で作成してます。
じゃ１レコードの定義は何かっていうと、上の画面全部埋めて登録した時点で１レコードとカウントされたんですね。

で、上の図がKintoneで作成しようとしたグラフです。
意図した通りにならないですねぇ…。
現在も未解決のままです。

ちなみにQC検定2級までの間にnp管理図が出題されることはあまりありません。
QC3級の管理図は十中八九がx̄-R管理図です。
QC2級になると稀にnp管理図が出てきますが、高確率でx̄-R管理図です。
ただ2級のx̄-R管理図で使う式が3級と微妙に違うんですけどね…。

一応Kintoneアソシエイトの本を中古で買って(到着待ち)解決策を当たります。
管理図に限ったことではないのですが、QC7つ道具は大半がグラフを使います。
恐らくパレート図やヒストグラムあたりは作れると思いますが、相関分析や単回帰分析が絡む散布図となると、Kintoneでの作成がちょっと難しそうですね。

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