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戦争を前提としたBCPが必要な時代に

露宇戦争以前にネット右翼と憲法改正論議で言い争いになった時、彼らは決まってこう言いました。
「いまの戦争はハイテク戦争だから(憲法改正しようと)徴兵なんて必要ない」と。
要は白兵戦を全く想定していない前提なので「徴兵なんて必要ない」と言うわけです。
では現実どうなのかと言うと、ウクライナでは総動員令が出されており、中国との緊張が強まっている台湾でも徴兵制復活の兆しがあります。
対する日本は現行憲法下においては徴兵ができませんが、今後、中国や北朝鮮やロシアと交戦できる能力を持とうと思えば間違いなく徴兵が必要になります
徴兵をする為には憲法改正が必要で、少なくとも理屈上において、自民党改憲草案は徴兵が可能な文言にはなっています。

日露交戦リスクは高まっている

さて、露宇戦争後の日露関係を見ると、対露経済制裁や必勝しゃもじ贈答など、少なくとも日本政府はロシアを刺激し続けております。
困ったことに普段「戦争反対!」とか「9条守れ」と言っている日本共産党までが、ロシアを叩くことに対しては翼賛側に回っているということです。

前回の記事でも申し上げた通り日露交戦のリスクは確実に高まっています
交戦リスクは高まっているのですが、日本側には戦争に当たって何の準備も出来ておりません。
これは徴兵できないこともそうですし、食料自給率も一貫して低いままであることからも、戦闘継続能力がないのは明らかです。
もちろん国民の心の準備も出来ておりません
どこかで日本人は「イザとなったらアメリカ様が守ってくれる」と思っている。
しかし、なかなかアメリカ様の世論はウクライナに冷たいものです。
露宇戦争に関してアメリカが介入しないことを望むアメリカ人は多く、日露間で衝突が起きても同様の世論になることが考えられます。

東京・大阪に核が落ちれば日本と言うシステムは崩壊する

日露間の衝突リスクが高まっているということを述べましたが、ロシアも核兵器を大量に保有しています。
当然、戦闘状態に突入する直前から、日本は核兵器による攻撃対象になり、最も攻撃を受ける可能性が高いのは札幌、そして東京です。
札幌はロシアの直ぐ側にある大都市ですし、東京は世界で最も人口が過密している巨大都市ですからね。

それに、今の日本に於ける有価証券の金融取引はほぼ東京証券取引所を介して行われ、東京証券取引所が止まるだけで、ほぼ全取引が出来なくなるリスクがあることを、2020年の終日売買不能障害で示してしまいました。
せめて多摩地域にデータセンターを持っていれば良く、そうした提案は富士通もしているはずであることは聞いていますが、インフラが都心にしかない場合、データは高確率でアウトです。
弾道ミサイルはピンポイントを狙うには不向きですが、だいぶ目標からズレて川崎に落ちたとしても、SIerがたくさん集まる川崎、ダメージは大きいでしょうね。

日本の企業は言うまでも無く東京に本社を構える企業が多いですが、BCPの兼ね合いで大阪にサブの本社機能を持っている会社も多いです。
よって大阪や名古屋もそれ相当にはテロやミサイル攻撃による効率は良く、それ相当には危険度は高いです。

戦争を前提にしたBCPは未だ行われていない

いわゆる災害対策のためのBCPなら東京・大阪の二分散でも良いですが、戦争を考慮したBCPでは東京に次いでターゲットとなる大阪や名古屋はとても安全とは言えません。

今までの日本のBCPの主眼はどちらかと言うと巨大地震を見据えた拠点分散だったように見えます。
戦争のリスクを0とした場合、拠点の分散の仕方としては、東京・大阪・名古屋の3大都市で分散しておけば、そんなに間違ってはいないものでした。

しかし、戦争を前提とした場合、東名阪は真っ先に狙われる場所となり、他には軍産の集まる神戸や長崎なんかが標的になりやすいでしょうね。

こと戦争を前提にBCPを組む場合、極論ですが、精華町(京都府)やら坂井市(福井県)やら白山市(石川県)やらに、本社機能の一部を移していた方が良いということです。
一例としてマイナーな都市名出しましたが、戦争では大都市ほど脆弱な環境になります。

個人で出来る戦争に向けた資産防衛と言う点でも、考えようによっては株や(データとして持っている)純金などから、不動産にシフトしていくことが良いのかもしれません。
純金は物理的に持ってても盗難(戦時下では国内の治安も悪くなる)リスクや紛失リスクがありますし、株は東証が死んだ瞬間に資産価値が飛ぶ危険性があります。
もちろん都心の不動産なんか持ってても空襲リスクがあるので、疎開先(田舎)に畑と家を持ってるのが一番強いでしょうね(恐らく戦時下に突入したら田舎の不動産価値が上がると思います)。

流石に今日の明日で交戦が始まることは無いと思いますが、ちょっとしたボタンの掛け違えで、いつ武力衝突に発展しても可笑しくはない情勢です。
最悪の事態を想定し、小さなことから少しずつ、備えをしていた方が良いのかも知れません。

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