企画職とは何か
複業①で商品企画部署に所属している。
企画部署って何をしているの?と聞かれるときがある。また、企画部署はアイディアマンじゃないと務まらないんでしょ?と言われることもある。
経理部や法務部の場合はこのような質問は無いと思う。経理部や法務部のように明確な役割分担が一般的に決まっていないことが質問の理由と考える。
というわけで(商品)企画職とは何かを明確にしようと思う。
●一般的な企画職のイメージ
一般的な商品企画のイメージとして思い浮かべるのがこのあたりだと思う。これは企画の一部を切り出した風景であり、網羅的ではないと思う。また、このイメージがあるため企画職ではアイディアマンであることが必須と思われがちではないかと推測する。
●そもそもの商品企画の主な役割
商品企画は大きく2つに分類されてさらに3つに区分される。計6つが主な役割と考えている。
⑴ 新サービス開発
①発案 : 意見出しのフェーズ
②構成 : ①に論理を付与して社内合意を得るフェーズ
③開発 : ②を実際に市場へサービス投入するフェーズ
⑵ 既存サービス管理
①改善 : 売上向上や費用抑制等
②問題解決 : 起きた事象の再発を防止する等の施策立案、導入
③クローズ対応 : 場合によってはサービスをクローズする
※つまり、一般的なイメージは新サービスの発案フェーズのワンシーンを切り取った話であることがわかる。また、一部(①)を切り取ればアイディアマンであることが求められるが②③であればアイディアマン以外の特性が求められる。
■新サービスの①~③を掘り下げると
①発案
・玉石混交の意見(アイディア)を表現する
・アイディアマンが活躍するフェーズ
②構成
・①のアイディアを開発フェーズに進むべく社内合意を取り付ける(案件によっては株主説明等を実施してコンセンサスを得る)
・アイディアが開発に値することを論理的に説明できる(ストーリーを描ける)人が活躍するフェーズ
③開発
・実際にマーケットへ商品、サービスを投入する為の詳細設計や運用構築
・各部署よりメンバーが選抜されプロジェクト化されるケースが多く、推進力をもってプロジェクトを進められる人が活躍するフェーズ
■既存サービスの①~③を掘り下げると
①改善活動
・自ら問題提起をすることが求められる
・提起した問題を解決する②の問題解決能力も必須
②問題解決
・起きた事象の適切は把握と分析
・分析結果に対して、解決する能力が必要
③クローズ対応
・顧客の影響範囲と収支のバランを見極める目
・目立たないがミスが許されない、いぶし銀な対応が求められる場面
■求められる能力
[思考系]
・アナロジー思考 (アイディアを創出)
・ストーリー思考 (アイディアを構成する)
・論理的思考 (他社の理解を)
[スキル系]
・プロジェクトマネジメントスキル
・問題解決スキル (提起するスキルも含み)
・ファシリテーションスキル
・コミュニケーションスキル
まとめ
これらの能力が複合的に発揮されることでアイディアを市場に投入することができる。逆に言えば、アイディア出しは少し苦手だがプロジェクトマネジメントに自信がある。という人でも企画職は務まると考える。自身の強み弱みを理解して、どのフェーズどの場面で活躍することができるかを認識していくことが大切である。
また、チームマネジメントの目線で言うとアイディアマンだけの企画部署では意見は活発に出るものの市場へのサービス導入という点では少し難があるかもしれない。バランスを見てどんな強みを持っている人同士がいると補完し合いシナジーが生み出せるかをキチンと理解する必要がある。
人員確保の際に、人事の採用担当者に「企画職なので柔軟に意見を言えることは必須です!」といった的外れな人物像の提示をしないようにくれぐれも気を付けたいものである。
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