[翻訳]キャサリン・マンスフィールド「修道に入れば」(1922)
修道に入れば¹Taking the Veil(1922)
キャサリン・マンスフィールド
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これほど美しい朝に不幸な気分でいられる人などいようはずもないと思われた。決して誰もと、エドナは思った、自分のほかには。どの家の窓も大きく内側に開け放たれていた。そしてそこからピアノの音が聴こえてくる、小さな両の手が、それぞれの後を追いかけてみたり、離れてみたりしながら、スケールの練習をしている。日の差す庭では木々が春の花々に囲まれて明るく葉を揺らしていた。通りにいる男の子たちは口笛