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【今日のバッハのカンタータは?】2024/3/3(日)四旬節第3主日もしくはオクリ

WHICH BACH CANTATA TODAY?" (「今日のバッハのカンタータは?」)の 2024年3月3日の記事の和訳です。以下,一部訳注やリンクの追加と関連動画の紹介をしている以外は,ほぼ直訳です。

オクリ(Oculi)は四旬節(Lent)の第3主日(訳註)。まだライプツィヒでは"閉ざされた時(Tempus Clausum,ミサ曲は演奏されない期間)だが、幸いなことに、Tempus Clausumが行われていなかったワイマールで過ごした期間には2つのカンタータが作曲されている。

  • 訳註(Oculi): 四旬節(Lent)の第3主日は、この日に歌われる入祭唱の最初の言葉にちなんでOculiと呼ばれる。Oculiはラテン語で "目 "の意味。神から与えられた信仰の目、つまり、人生と救いに関わる神の事柄を見る目を指す。この入祭唱の冒頭は"Oculi mei semper ad Dominum, quia ipse evellet de laqueo pedes meos"("私の目は常に主に向かっている。主は私の足を罠から引き離してくださるはずだから")となっている(情報源1, 情報源2,情報源3)。以下はこの入祭唱の動画。

さて,初めに紹介するカンタータ「罪に逆らうべし」《Widerstehe doch der Sünde》 BWV 54が,本当にオクリの日のために書かれた曲かについては議定かでなく,三位一体の日の第7主日(Trinitatis VII)のための曲(初演1714年7月15日)とする説もある。しかし,ジョン・エリオット・ガーディナー達は同年のオクリのための曲と考えられる根拠があると説明している。というわけで、あなためために選んだこの曲の演奏は、ガーディナーのイングリッシュ・バロック・ソロイスツ&モンテヴェルディ合唱団によるものだ(訳註,下の方のプレイリストで紹介しています)。また,このように解釈すると,このカンタータは、バッハがワイマールで委嘱を受けて最初に作曲したカンタータということになる。また,バッハによる,独唱(この曲ではアルト)のための最初期のカンタータでもある。

次のカンタータ「神から生まれしものは全て」《Alles, was von Gott geboren》BWV 80aの楽譜は失われている。しかし、バッハはこの曲に手を加えて規模を大きくし、有名なカンタータ「われらが神は堅き砦」《Ein feste Burg ist unser Gott》BWV 80に仕立てた。このカンタータは、宗教改革記念日(10月31日)にライプツィヒで演奏されている。ライプツィヒでは「閉ざされた時」(Tempus Clausum)があったため、バッハはこのカンタータを作曲時と同じ目的(Occuli)に使うことができず、宗教改革記念日に使ったわけだ。だって,素晴らしいカンタータを無駄にしてはいけないからね。

Music for today

  • Widerstehe doch der Sünde, BWV 54
    (first performance 4 March 1714?, Weimar period)

  • Alles, was von Gott geboren, BWV 80a
    (first performance 24 March 1715 or 15 March 1716 - music lost, Weimar period)

Playlist

WBC22-3rd Sunday of Lent or Oculi
以下のストリーミングサービスからどうぞ。

追加情報

オランダ・バッハ協会のウェブサイトに、BWV54についての詳しい情報と演奏が掲載されています:
https://bachvereniging.nl/en/bwv/bwv-54/

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ワイマールにバッハの家があった場所を示す記念プレート。その場所は現在...駐車場になっている。

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