【今日のバッハのカンタータは?】 2023/12/24(日) 降誕祭第四主日
"WHICH BACH CANTATA TODAY?" (「今日のバッハのカンタータは?」)の 2023年12月24日 の記事の和訳です。以下,一部訳注やリンクをつけている以外は,ほぼ直訳です。
2023年12月24日 - 今日は待降節第四主日(Advent IV)、別名Rorate、クリスマス前の最後の日曜日。今日はワイマールのカンタータを2曲。ライプツィヒとは異なり、ワイマールではアドヴェント(待降節)の間、ミサで音楽を演奏することが許されていた。
まずはBWV132:Bereitet die Wege, bereitet die Bahn!(「道を備え,大路を備えよ」)。1715年12月22日、ワイマールで初演。バッハがワイマールでお気に入りの台本作家だった宮廷司書サロモン・フランクによる歌詞。この歌詞は,この主日に定められた福音書の朗読内容である、洗礼者ヨハネの証言(訳註1)と、イザヤ書の預言(訳註2)を想起させ、聴く者にメシアの誕生に備えるよう促す。
訳註1) 洗礼者ヨハネの証言は,自分はメシアでなく,主の道を真っ直ぐに整えるための存在であり,主はこれから現れるという内容(ヨハネ1:19〜28)
訳註2) 「「僕(しもべ)」の代理贖罪的な死」
続いてBWV147a:Herz und Mund und Tat und Leben (「心と口と行いと生き方が」)。こちらも翌年(1716年12月20日)にワイマールで初演されたが(訳註: 初演されたか不明との説あり)、その楽譜は失われてしまった。バッハはライプツィヒでこの曲の拡大版(訳註: 6楽章から10楽章にした)を作ったが待降節には使われなかった。前述のように,ライプツィヒでは,待降節中のミサには音楽を用いなかったからだ。そこでバッハは、この曲を別の機会、「(聖母の)訪問祭」のために再利用し有名な最後のコラール"Jesus bleibet meine Freude" (「主よ人の望みの喜びを」)を加えて、1723年7月2日に初演した(訳註: こちらがBWV147)。失われていたBWV147aの楽譜は、BWV147を基に復元された。
"Herz und Mund und Tat und Leben", BWV 147の最終楽章、"Jesus bleibet meine Freud"(「主よ人の望みの喜びを」)は、故マイラ・ヘス女史によるピアノ用トランスクリプションのおかげで、とても有名になり、人気を博している(実は私も若い頃、この作品をピアノで弾いたことがある)。最近、ドイツ・グラモフォンから Rafał Blechacz によるとても素晴らしい録音がリリースされたので、末尾に追加した。私と同じように楽しんでほしい。
Cantatas
Bereitet die Wege, bereitet die Bahn!, BWV 132
(first performance 22 December 1715, Weimar period)Herz und Mund und Tat und Leben, BWV 147a
(first performance 20 December 1716, expanded in 1723 to BWV 147 for Visitation, Weimar period)
Extra information
The Netherlands Bach Society website has more information and a performance of BWV 132 and BWV 147:
https://bachvereniging.nl/en/bwv/bwv-132/
https://bachvereniging.nl/en/bwv/bwv-147/