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ウクライナの芸術家シリーズ

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ロシアの芸術家と思っていた人の大半が,実は現ウクライナの出身だったりして驚いてます。その芸術家が生まれ育った当時はソ連の一部だったりしたわけですが,それにしてもウクライナはロシア…
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2024年1月の記事一覧

【ミッシャ・エルマン,1891-1967🇺🇦ウクライナの芸術家シリーズ16】

20世紀初頭に活躍した名ヴァイオリニストのミッシャ・エルマン(Mischa Elman, 1891-1967)はロシア帝国キーフ県タリノエ(現ウクライナ)のユダヤ系家庭の生まれ。 祖父はユダヤの民族音楽家で、ヴァイオリンも弾いていた。当時,音楽家の社会的地位は低かったので、父親はミッシャが音楽家になるのには反対だったらしい。しかし,幼いミッシャにせがまれてミニチュア・ヴァイオリンをあげたら,すぐにいろいろな曲を引き出したらしい。まもなく、ミッシャはオデッサで帝国音楽院に入学

【ミェチスワフ・ホルショフスキ, 1892-1993🇺🇦ウクライナの芸術家シリーズ15】

伝説的ピアニストの一人,ミェチスワフ・ホルショフスキ(Mieczysław Horszowski, 1892-1993)はオーストリア=ハンガリー帝国(現ウクライナ, リヴィウ)で,ユダヤ系の家庭に生まれた。 ホルショフスキは,自身はポーランド出身であると説明しているらしい。リヴィウ付近の国境は頻繁に変わっているが,1919年にポーランド・ウクライナ戦争後,1939年にドイツに占領されるまでの間ポーランド領だった。この期間がちょうど若きホルショフスキの活動の時期重なるので,

【Joseph Schillinger, 1895-1943🇺🇦ウクライナの芸術家シリーズ14】

ヨーゼフ・シリンガー(1895-1943)は旧ロシア帝国のハリコフ政府(現ウクライナ,ハリコフ)生まれの作曲家で音楽理論家。ぇ? 知らない? いや,実は僕も知らなかったのだけど,友人に「憂鬱と官能を教えた学校 — バークリーメソッドによって俯瞰される20世紀商業音楽史」という本が面白いと勧められて読んで初めて知った,現在の音楽界に大きな影響を残した超重要人物だ。 弟子にはジョージ・ガーシュウィン,ベニー・グッドマン,グレン・ミラーといった商業音楽の黎明期に活躍した錚々たる顔